東京都足立区での薬局店頭での「指先HbA1c測定」実施で、約7%の潜在糖尿病発見率

「糖尿病診断アクセス革命」は東京大学とNPO法人「ADMS」(足立区糖尿病対策推進協議会)および足立区薬剤師会の共同研究で、足立区医師会と薬剤師会の緊密な連携(「医薬連携」)により実現した画期的プロジェクトです。

薬局店頭で指先HbA1c検査による糖尿病スクリーニングを実施するというこの試みは、足立区内の9箇所の薬局ですでに平成22年10月12日  より開始されており、10月末までの約3週間で合計134名もの方々に指先HbA1c検査を実施しました。そして、予想通り、非常に高いスクリーニングパフォーマンスを示しております。

具体的には、上記の134名のうち、受診勧奨(HbA1c5.6%以上)は37名(27.6%)、そのうちの9名はHbA1c6.1%以上(最高は10.7%)でした(全体の6.7%)。またHbA1c6.1%以上の人が見つかる確率は、毎年健診を受けている群では4.7%(3人/64人)、それ以外の群では8.6%(6人/70人)であり、少なくとも毎年は受診していない群の方が約2倍程度、「潜在糖尿病」が見つかりやすいことが判明しました。

このことは、健診を毎年受診することの重要性を示唆しており、特定健診の受診についても今後さらに力を入れて促していく必要がありそうです。糖尿病に関し「検査の重要性」を啓発していくための「新たな窓口」として薬局は重要な位置づけになりうることが示されつつあるように思われます。

また、この足立区での取り組みは全国的にも注目を集めつつあり、日経産業新聞や薬局新聞などの全国メディアに既に紹介記事が掲載されております。

またインターネットでも「糖尿病ネットワーク」など複数のサイトで紹介されております。

http://www.dm-net.co.jp/calendar/2010/10/010577.php



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東京大学大学院医学系研究科分子エネルギー代謝学講座 矢作 直也
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