ITインフラのソリューション・ディストリビュータである株式会社ネットワールド(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 森田 晶一)は、米Atlantis Computing 社(本社:カリフォルニア州、以下 Atlantis社)の新製品「Atlantis ILIO Diskless VDI (アトランティス・イリオ・ディスクレスVDI)」を発表します。
これは、従来のVDI (Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップ基盤)では不可欠だった仮想デスクトップイメージ用の共有ストレージやサーバのローカルディスクを必要としない業界初のソリューションで、VDI環境の導入・運用コストの大幅削減と、物理PCを上回るパフォーマンスを実現します。

「Atlantis ILIO Diskless VDI」は、VDI最適化ソフトウェア「Atlantis ILIO」を、大容量メモリの搭載が可能なシスコ拡張メモリテクノロジーを持つCisco UCSサーバ用に最適化しました。Citrix XenDesktopやVMware View などの仮想デスクトップにおけるWindows用のストレージを、Cisco UCSサーバのメモリ上に展開するので、パフォーマンスが高く、SAN / NAS / SSDなどのディスクベースのストレージが不要です。更に、大容量メモリを搭載するサーバによりVDI集積度が増すため、サーバやラックの台数を大幅に削減します。

◆ VDI普及のボトルネック
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仮想デスクトップ環境(VDI)は、コンプライアンスや情報漏えい対策の強化、ビジネス継続や災害対策、管理の効率化、ユーザのモビリティの向上などに有効なソリューションです。しかしながら、従来のVDIでは、ストレージやメモリに関する以下のような課題が、パフォーマンスやコストの点で、普及のボトルネックになっています。

◇ストレージの課題
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VDIでは、始業時のマシン起動、アプリケーション読み込み、終業時のログオフなど、多数のユーザが一斉に行うことが多く、共有ストレージへのI/Oが急上昇します。また、パッチ適用やアンチウィルスソフトのアップデートやスキャンなどもストレージI/Oを高める要因であり、こうした使用ピークに対応できるよう、ストレージやネットワークの設計、導入、管理がVDI構築の鍵となりますが、十分なパフォーマンスが出せずにユーザが拒否反応を示し、プロジェクトの評価段階で行き詰まる例が少なからずあります。また、VDIコスト全体に占めるストレージコストの比率が高い上に、快適なパフォーマンスを提供するためにストレージを強化して、コストが増大する場合もあります。

◇メモリの課題
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VDIは、大量にメモリを消費しますが、128GBを超えるメモリを搭載できないという制約があるサーバが多いので、VDI集積度が上げられず、その結果、サーバ台数やラックが増えてのコストが嵩みます。


◆ 「Atlantis ILIO Diskless VDI」によるソリューション
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VDI最適化ソフトウェア「Atlantis ILIO」は、インライン重複排除、Windows NTFSに特化したRead・Write(読み込み・書き込み)双方向のキャッシング、IO最適化などの先進的な機能により、起動、ログイン、プロファイルのロード、アプリケーションの起動などを高速化するので、仮想デスクトップでありながら高パフォーマンスを実現します。
Atlantis社は、この技術を、共有ストレージに対するIOPS (1秒間に可能なI/O回数)の大幅な改善と(最大10倍)ストレージ容量の大幅削減(最大99%)、パフォーマンスを改善するVDIブースター「Atlantis ILIO 2.2」として仮想アプライアンスで提供してきました。

今回発表する新製品「Atlantis ILIO Diskless VDI」は、「Atlantis ILIO」の技術を、シスコ拡張メモリテクノロジーを持ち大容量の搭載が可能なCisco UCSサーバ用に最適化することで、さらに高速かつ低コストなVDI環境を実現します。
「Atlantis ILIO Diskless VDI」は、「Atlantis ILIO 2.2」と同様に仮想アプライアンスで提供され、VDIサーバであるCisco UCSサーバのハイパーバイザ上で稼動します。Citrix XenDesktopやVMware View などの仮想デスクトップにおけるWindows用のストレージは、SAN/NASやローカルSAS/SSDストレージではなく、Cisco UCSサーバ上の仮想デスクトップが実行されるハイパーバイザのメモリに展開されます。
ストレージを使わないため、初期導入コスト、ラックスペース、電力消費量、冷却コスト、ディスクのメンテナンスコストなどの運用コストも低減できる上に、メモリ上で展開されていることで、デスクトップのレスポンスが  さらに高速化されます。
また、ストレージ投資ばかりでなく、パフォーマンス向上によりVDIのサーバ投資も最適化できる上、大容量メモリ搭載サーバによりVDI集積度が向上するため、仮想デスクトップ1台当たりの初期導入コストは、共有ストレージを使用した場合に比べて約半分に削減されます。(※1)。
(※1) 60VDIの集積度での試算

ネットワールドは、「Atlantis ILIO Diskless VDI」は、VDI導入を加速する重要なソリューションと位置付けており、初年度40,000 ユーザライセンスの販売を予定しています。
100ユーザ程度の小規模からでも導入可能ですが、サーバ数やストレージを減らすことによる導入・運用コスト低減のメリットが十分得られる1,000ユーザ程度の中規模以上での導入が進むものと考えられます。
また、VMwareやCitrixなどの仮想デスクトップやハイパーバイザはもとより、シスコ拡張メモリテクノロジーを搭載したCisco UCSサーバも含む、総合的な仮想デスクトップソリューションとして提供していく予定です。

尚、「Atlantis ILIO Diskless VDI」は、ノンパーシステント環境で利用可能です。また、Cisco UCSサーバでの利用をサポートしています。
ちなみに、既に販売している「Atlantis ILIO 2.2」(※2)は、サーバやストレージの機種を問わず、また、パーシステント/ノンパーシステント(※3)のいずれのVDI形態でも利用可能です。

(※2) 「Atlantis ILIO 2.2」の詳細は以下をご参照ください。
http://www.networld.co.jp/atlantis/product_info.htm
(※3)
パーシステント:ユーザ毎に、個別の仮想デスクトップを割り当てて、毎回同じデスクトップを利用。
ノンパーシステント:ユーザと仮想デスクトップを紐付けせず、ユーザに毎回異なる仮想デスクトップを割り当てる。


◆ 「Atlantis ILIO Diskless VDI」の価格と販売方法など
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◇製品名 :Atlantis ILIO Diskless VDI
◇対応するVDI:Citrix XenDesktop、VMware View
※ノンパーシステントでの利用になります。
◇提供形態 :VMware vSphere用バーチャルアプライアンスとして提供。

◇参考価格 :
262,500円(税別)/25 Diskless VDIユーザライセンス
・25ユーザ単位でのご提供になります。
・サポート契約は別途費用がかかります。

◇販売経路 :ネットワールド、および同社販売パートナー経由。
◇初年度販売目標:40,000 ユーザライセンス


◆ 「Atlantis ILIO Diskless VDI」の特長
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(1) 圧倒的なパフォーマンス
ブート、ログイン、アプリケーション起動、パッチ適用、ウィルススキャンなどのあらゆる面で、仮想デスクトップのパフォーマンスを向上します。例えば、ブートタイム(仮想デスクトップの起動時間)は10数秒で、ユーザは快適に利用できます。

(2) 導入・運用コストの低減
・ストレージへの投資が激減する他、パフォーマンス向上と大容量メモリ搭載が可能なCisco UCSサーバによるVDI集積度向上の効果が加わり、VDIサーバへの投資も最適化できます。そのため、仮想デスクトップ1台当たりの初期導入コストは、従来のように共有ストレージを使用し、60VDIほどの集積度を持つサーバで構成していく場合に比べ、約半分になります。
・SAN/NASストレージのコスト、ラックスペース、電力消費量、冷却コスト、ディスクのメンテナンスコストなどを削減し、運用コストを低減できます。

(3) システムの延命
書き込み負荷の高いVDIにおいて、寿命が問題となるSSDと異なり、メモリには書き込み回数による寿命がないので、ディスク障害やリプレースが不要で、更に運用コストも低減できます。



◆ 「Atlantis ILIO Diskless VDI」の導入事例
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4,000名の従業員を擁する米PAETEC Communications社(現Windstream Company Nasdaq: WIN)は、Citrix XenDesktop VDIでの仮想デスクトップシステム導入に当たり、ローカルSSDやPCIベースのRAMドライブなどと比較検討した結果、Cisco UCS B230 M2ブレードシステムとAtlantis ILIO Diskless VDIとを組み合わせたソリューションを選択。現在、各ブレードに160のCitrix XenDesktopを構築し、シングル ラックのCisco UCSサーバ上で合計6,400の仮想デスクトップが稼働しています。ワークステーション/PCやラップトップを導入するよりも初期導入コストが低く抑えられ、更にユーザが満足する高いパフォーマンスを提供しながら、ストレージが不要となり、ネットワーク、サーバの冷却やラックスペースの削減等、運用コストも抑えることに成功しました。