<発表のポイント>
・2010年にoxytropis falcataの根から単離されたoxytrofalcatin Cは、これまでに前例がないN-ベンゾイルインドール誘導体であると報告されました。
・提唱構造であるN-ベンゾイルインドール誘導体の合成に成功しましたが、機器分析データが一致しなかったことからインドール誘導体ではないことが判明しました。
・Oxytrofalcatin Cの生合成経路をヒントに、oxytrofalcatin Cがオキサゾール誘導体であると予想し、これを実際に合成しました。
・オキサゾール誘導体と単離論文で報告されているデータが一致したことから、oxytrofalcatin Cの世界初全合成と構造訂正を達成しました。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)大学院医歯薬学総合研究科(薬)精密有機合成化学分野の杉立一真(博士前期課程2年)、山城寿樹(本学博士課程修了者、現 北海道医療大学薬学部助教)、北海道医療大学薬学部の山田康司准教授、岡山大学学術研究院医歯薬学域(薬)精密有機合成化学分野の阿部匠講師らは、極性転換型インドール試薬を駆使し、通常の方法では合成が困難なoxytrofalcatin Cの提唱構造を合成しました。しかし、各種測定データが単離論文の測定データと一致しなかったことから、生合成経路をもとに天然物の真の構造を再考し、オキサゾールではないかと予想しました。この予想の元、オキサゾールの合成を行ったところ、文献で報告されている測定データと一致したことから、oxytrofalcatin Cの全合成を達成しました。また、同様の骨格であるoxytrofalcatin Bもオキサゾールであることを確認しました。
本研究成果は、2023年7月11日 、アメリカの科学誌「Journal of Organic Chemistry」に掲載されました。
今後、すべてのoxytrofalcatin類の合成と真の構造の解明が期待されます。
◆研究者らからひとこと
天然物の提唱構造が間違っていたという話はよくある話です。有機化学を駆使して、フラスコを使っての化学合成が必要な理由の一つです。まさかインドールがオキサゾールだったなんて、誰が想像し得たでしょうか。我々もこのパズルを解くことができて非常に驚いています。今後も、oxytrofalcatin類の全合成を進め、全てのパズルを完成させたいと思います。(杉立)
◆論文情報
論文名: Oxytrofalcatin Puzzle: Total Synthesis and Structural Revision of Oxytrofalcatins B and C
掲載誌: Journal of Organic Chemistry
著 者: Kazuma Sugitate, Toshiki Yamashiro, Ibuki Takahashi, Koji Yamada, Takumi Abe
D O I : doi.org/10.1021/acs.joc.3c00691
U R L : https://doi.org/10.1021/acs.joc.3c00691
◆研究資金
本研究は科学研究費補助金(22K06503)の支援を受けて実施しました。
◆詳しい研究内容について
天然物の超難問:幻のインドールアルカロイドの正体を解き明かせ!!
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20230713-1.pdf
◆参 考
・岡山大学薬学部・大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)
https://www.pharm.okayama-u.ac.jp/
◆参考情報
・【岡山大学】アジド基を利用した深海細菌産生インドールアルカロイド骨格の一挙構築
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001299.000072793.html
・【岡山大学】世界初!極性転換スイッチを利用し、鎖状インドール5量体の合成に成功!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001310.000072793.html
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 医歯薬域(薬)講師 阿部 匠
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス
https://soran.cc.okayama-u.ac.jp/html/4bdab51634f2a15474506e4da22f6611_ja.html
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):
岡山大学Image Movie (YouTube):
「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2023年7月 期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001510.000072793.html
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学である岡山大学にご期待ください
・2010年にoxytropis falcataの根から単離されたoxytrofalcatin Cは、これまでに前例がないN-ベンゾイルインドール誘導体であると報告されました。
・提唱構造であるN-ベンゾイルインドール誘導体の合成に成功しましたが、機器分析データが一致しなかったことからインドール誘導体ではないことが判明しました。
・Oxytrofalcatin Cの生合成経路をヒントに、oxytrofalcatin Cがオキサゾール誘導体であると予想し、これを実際に合成しました。
・オキサゾール誘導体と単離論文で報告されているデータが一致したことから、oxytrofalcatin Cの世界初全合成と構造訂正を達成しました。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)大学院医歯薬学総合研究科(薬)精密有機合成化学分野の杉立一真(博士前期課程2年)、山城寿樹(本学博士課程修了者、現 北海道医療大学薬学部助教)、北海道医療大学薬学部の山田康司准教授、岡山大学学術研究院医歯薬学域(薬)精密有機合成化学分野の阿部匠講師らは、極性転換型インドール試薬を駆使し、通常の方法では合成が困難なoxytrofalcatin Cの提唱構造を合成しました。しかし、各種測定データが単離論文の測定データと一致しなかったことから、生合成経路をもとに天然物の真の構造を再考し、オキサゾールではないかと予想しました。この予想の元、オキサゾールの合成を行ったところ、文献で報告されている測定データと一致したことから、oxytrofalcatin Cの全合成を達成しました。また、同様の骨格であるoxytrofalcatin Bもオキサゾールであることを確認しました。
本研究成果は、2023年7月11日 、アメリカの科学誌「Journal of Organic Chemistry」に掲載されました。
今後、すべてのoxytrofalcatin類の合成と真の構造の解明が期待されます。
◆研究者らからひとこと
天然物の提唱構造が間違っていたという話はよくある話です。有機化学を駆使して、フラスコを使っての化学合成が必要な理由の一つです。まさかインドールがオキサゾールだったなんて、誰が想像し得たでしょうか。我々もこのパズルを解くことができて非常に驚いています。今後も、oxytrofalcatin類の全合成を進め、全てのパズルを完成させたいと思います。(杉立)
◆論文情報
論文名: Oxytrofalcatin Puzzle: Total Synthesis and Structural Revision of Oxytrofalcatins B and C
掲載誌: Journal of Organic Chemistry
著 者: Kazuma Sugitate, Toshiki Yamashiro, Ibuki Takahashi, Koji Yamada, Takumi Abe
D O I : doi.org/10.1021/acs.joc.3c00691
U R L : https://doi.org/10.1021/acs.joc.3c00691
◆研究資金
本研究は科学研究費補助金(22K06503)の支援を受けて実施しました。
◆詳しい研究内容について
天然物の超難問:幻のインドールアルカロイドの正体を解き明かせ!!
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20230713-1.pdf
◆参 考
・岡山大学薬学部・大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)
https://www.pharm.okayama-u.ac.jp/
◆参考情報
・【岡山大学】アジド基を利用した深海細菌産生インドールアルカロイド骨格の一挙構築
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001299.000072793.html
・【岡山大学】世界初!極性転換スイッチを利用し、鎖状インドール5量体の合成に成功!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001310.000072793.html
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 医歯薬域(薬)講師 阿部 匠
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス
https://soran.cc.okayama-u.ac.jp/html/4bdab51634f2a15474506e4da22f6611_ja.html
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
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岡山大学Image Movie (YouTube):
「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2023年7月 期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001510.000072793.html
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学である岡山大学にご期待ください