ITインフラのソリューション・ディストリビュータである株式会社ネットワールド(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 森田 晶一)は、東亜レジン株式会社(本社:東京都狛江市、代表取締役社長 永井 茂智)がITインフラ強化プロジェクトの一環であるクライアント環境の刷新で、ネットワールドが提供するデスクトップ仮想化製品「Citrix XenDesktop」(以下 XenDesktop)を導入したことを発表します。システムの提案、構築は、ネットワールドのパートナであるリコージャパン株式会社(本社:東京都中央区)が行いました。

現在、クライアントPC約150台がXenDesktopにより仮想統合されており、管理の効率化、セキュリティ確保、データ保全などの従来からの課題が解決されました。既存のPCの多くをそのままXenDesktopの端末として利用したことでハードウェアの新規投資を大幅に抑えながらも、XenDesktopがネットワーク帯域使用量の少ないICAプロトコルを採用しているため、処理パフォーマンスが従来よりも向上しています。ADSL回線しか敷設できていない拠点でも、画像や写真などの大容量データを業務に支障なく取り扱うことができるようになりました。
東亜レジンでは、今後、XenDesktop に含まれるプロビジョニングサービスによるさらなる運用管理の効率化、アプリケーション仮想化機能「Citrix XenApp」による事業継続性の向上なども計画しています。


◆ 導入の背景と選択のポイント
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、外食チェーン店などの電照看板の製造・販売を手がける東亜レジンは、近年は省エネ・省資源化の流れに対応すべく、照明のLED化なども推進しています。
同社では、本社や各事業所・工場で利用されるクライアントPCの導入時期やユーザごとの環境が異なるため、運用管理の負荷が増大していました。また、重要な業務データがローカルのPCに保存されているために、障害などでデータが失われる危険性が課題となっていました。そして、仮想化技術を活用した基幹システムの再構築に伴い、クライアントOSをWindows 98からWindows XPへ切り替えることになったことを機に、より安全で快適な業務環境を実現するために、クライアント環境を刷新することになりました。
まず、仮想サーバ上にクライアント環境を置き、RDP(Remote Desktop Protocol)接続してVDI(Virtual Desktop Infrastructure)環境を構築しましたが、写真や画像などの大容量データをやり取りすることが不可欠なため、ADSL回線しか引けない営業所や工場では、業務に必要なパフォーマンスを確保できませんでした。そのため、RDPよりもネットワーク帯域使用量が少なく、より多くのユーザが同時に使用可能なICA(Independent Client Architecture)プロトコルを採用しているXenDesktopの導入を決定しました。


◆ 導入システムの概要と導入成果
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
現在、クライアントPC約150台がXenDesktopにより仮想統合されており、主な導入成果は以下のとおりです。

(1) パフォーマンスの向上
今回のプロジェクトでは、既存のPCの多くをそのままXenDesktopの端末として利用することで、ハードウェアの新規投資を大幅に抑えながら、処理性能を大幅に向上させました。
ICAプロトコルにより、実効速度が2Mbps程度のADSL回線で接続されている拠点でも、パフォーマンスに全く問題なく業務を行えています。
ちなみに、各拠点への展開は、システム起動用のLinuxやXenDesktopクライアントをインストールした内蔵ハードディスクを、各拠点に送付して既存ハードディスクと交換してもらうというユニークな方法で行いました。交換後の起動時に、自動的にDesktop Delivery Controllerに接続されてXenDesktop上の仮想デスクトップが利用できたため、ユーザ側の設定作業は一切不要でした。

(2) 運用管理の効率化とデータ保全
XenDesktopを導入したことで、以前はバラバラだったクライアント環境が、①オフィスソフトや基幹システムのクライアントなどで構成される標準パターン、②デザイン系のソフトを追加したパターン、③管理者用パターンの3パターンにほぼ集約されてシンプルになりました。ユーザグループの設定やソフトウェアのバージョンアップなども簡単で、運用管理性が飛躍的に向上しました。
また、業務データはすべてサーバ側で管理され、バックアップも集中的に行えるため、PCのハードディスク障害などにより重要なデータが失われる心配もなくなりました。

(3) モバイル利用やフリーアドレスなどによるワークスタイル改革
従来は、暗号化ソフトの導入や運用ルールの徹底などが課題となり、モバイルでのデータ活用はあまり積極的に行われていませんでしたが、XenDesktopを導入したことでセキュリティが保たれるため、社外からのデータ利用も大幅に増加しており、業務効率化に役立っています。

東亜レジンでは、今後、XenDesktop に含まれるプロビジョニングサービスの導入も検討しており、共通のマスターイメージをベースに各ユーザ向けのクライアント環境を構築することで、運用管理をさらに効率化する計画です。
また、アプリケーション仮想化機能であるCitrix XenAppにより、現在はデスクトップ仮想化の対象にしていない業務用アプリケーションなども仮想化し、遠隔地のデータセンタなどから配信することで、事業継続性を高める上でも大きな効果が発揮できると考えており、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)ソリューションでも豊富な実績を持つネットワールドの支援に期待しています。


※導入構成イメージ図を以下でご覧いただけます。
http://www.networld.co.jp/news/press2011/0927.htm