福島第一原子力発電所の事故に関して様々な情報が流れておりますが、そこから分かったことは「何が本当なのか、さっぱり分からない」ということでしょう。多くの方々がそう感じる理由は明白です。原発は利権と政治的思惑の権化ともいえる存在で、真実に最も近寄れるのはその利権や思惑の当事者たちだからです。

こうした状況を踏まえて、原発事故調査・検証のための「もう一つの委員会」を組織し、まったく第三者の立場から原発事故を検証、分析、そこから得られる教訓を後世に残すためのプロジェクトを発足させました。これが「FUKUSHIMAプロジェクト」です。

私たちがやらなくても、国や東京電力が主導するかたちでの原発事故調査レポートが作成されるでしょう。さらに、多くの有識者がこれをテーマに書籍を刊行するでしょう。けれども、前者に関しては主導者・資金提供者の意向がそこに投影される可能性が否定できません。後者に関してはその内容が市場原理に左右されます。

国や関連企業などからの資金をあてにせず、商業主義とも一定の距離を置くために、本プロジェクトでは賛同者から寄付金を募り、それを活動の原資といたします。報告書は書籍出版、電子書籍の配布といったかたちで公にしていく予定です。寄付金を原資にすることで、第三者の立場を貫けるだけでなく、事業性を無視し、詳細な書籍を安価に流通させることができると考えております。

この構想が生まれたのは、事故直後の2011年3月  です。技術経営の権威、原子力の専門家、原発問題に携わってこられた弁護士など、多くの方の賛同をいただき5月には委員会が発足、今日まで調査と議論を重ねてまいりました。ただ、本プロジェクトの遂行には、委員の努力に加え、サポーターの方々のご協力が不可欠です。そのためにも、なるべく多くの方たちに本プロジェクトの内容と意義について知っていただきたく、何卒よろしくご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

●上記情報はホームページ(http://f-pj.org/)でも公開しております。
●本件に関するお問い合わせは、委員の仲森智博(E-mail:、Mobile:)までよろしくお願いいたします。