◆概 要
 国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)の岡山大学オープンイノベーション機構(機構長:那須保友 研究担当理事・副学長)は、世界最大のプロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute;PMI)の日本における支部であるPMI日本支部(支部本部:東京都中央区、会長:片江有利)のアカデミック・スポンサーであり、研究力強化や産学連携・共創、イノベーション創出などの活動においてプロジェクトマネジメント手法を活用することで、効率・効果的な活動を実施しています。

 今回、PMI日本支部主催の国内および日本の企業・団体が実践する卓越したプロジェクトを表彰する「PM Award 2021」に岡山大学が特別協賛し、特別賞である「岡山大学SDGsイノベーション賞」を授与しました。

 PM Awardは本年度より実施され、自薦・他薦による応募の中から審査を実施。「新規性」、「有用性」、「組織の影響度」、「貢献度」を評価項目として、総合的な審査が実施されました。なお審査の選考委員にはエンジェル投資家でもあり、国内外の多種多様な領域のプロジェクトなどを数多く主導・参画して来た、本学の研究・産学共創担当副理事である佐藤法仁内閣府上席科学技術政策フェローが選考委員を担当しました。

 選考委員会を通過した6つのプロジェクトは、ファイナリストとして選出され、このファイナリストの中から、株式会社NTTデータの「AI画像診断技術によるインドで10万人に結核診断アクセスを支援する社会貢献プロジェクト」に対して、岡山大学SDGsイノベーション賞の授与を決定し、ヒルトン東京(新宿区西新宿)で開催された授与セレモニーにおいて那須保友研究担当理事・副学長が賞を授与しました。なお、本プロジェクトは、最優秀である「最優秀プロジェクト賞」も同時に受賞しています。

 岡山大学SDGsイノベーション賞を授与したNTTデータのプロジェクトは、岡山大学が法人経営の中核に据えている国連のSDGs(持続可能な開発目標)とマッチしたものでした。また、「世界三大感染症」のひとつとしての結核は、日本では「過去の感染症」という認識がありますが、世界ではいまだに多くの人々の命を奪っている感染症であり、社会・経済にも大きな影響を及ぼしています。最新のテクノロジーの活用とサービスを受ける人本位の「誰一人取り残さない」という視点などからSDGsのみならず、岡山大学の強みある医療系教育研究活動のお手本ともなるプロジェクトであり、今回の岡山大学SDGsイノベーション賞の授与を決定しました。

 今後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を見つつ、今回のプロジェクト関係者を岡山大学にご招待し、本学の研究者や岡山大学病院の医療関係者らとの意見交換や研究シーズ・ニーズマッチングなど、PM Awardを機に次につながる新たな共創活動を精力的に進めていく予定です。

 COVID-19の影響などで、今までにない社会情勢となり、物事も目まぐるしく動く時代。プロジェクトマネジメントは、リスクマネジメントとしての安全安心を確保するための手法だけではなく、After コロナ/With コロナにおける新しい価値を創造・提供していくためにも、ますます重要な手法といえます。岡山大学では、卓越したプロジェクトを支援し、「PM Award 2021」に賛同するすべてのステークホルダーらとともに、「ありたい未来を共に育み共に創る研究大学」として活動していきます。


◆那須保友研究担当理事・副学長からの特別賞「岡山大学SDGsイノベーション賞」の講評
 NTTデータの「AI画像診断技術によるインドで10万人に結核診断アクセスを支援する社会貢献プロジェクト」は、世界各地で取り組まれているSDGsの「誰一人取り残さない」という視点と合致するとともに、さまざまなステークホルダーのテクノロジーや知恵を融合し、現場にとって最も効果的な良い影響を与えるプロジェクトを緻密に組成し、結果を出したものだと判断しました。私自身も医師としての長い臨床経験から、本プロジェクトの意義と成果に強く感銘を受けております。
 岡山大学はインドの西ベンガル州の州都コルカタ市に、コレラなどの感染性下痢症を制御するための研究組織「岡山大学インド感染症共同研究センター」を有しており、15年以上もの間、併設するインド国立コレラ及び腸管感染症研究所(NICED)や州立感染症病院などと密な連携のもと、微生物学的な研究から人材育成、疫学調査などの幅広い活動を精力的に続けています。インドでの活動は言語だけではなく、国内における文化・習慣などの違いから一筋縄ではいかない点も多々あることを、私どもの活動でも多く経験しています。今回のNTTデータのプロジェクトは、単に感染症制圧とテクノロジーの融合だけではなく、プロジェクトを遂行するうえで、様々な人や文化、習慣などの合意形成をうまく出口へと導き、成果をもたらしたプロジェクトであると高く評価しています。
 今後、強みある岡山大学の医療系とも共創できるよう、今回のプロジェクトの関係者を岡山大学と岡山大学病院にご招待し、さらなるイノベーション創出につなげていきたいと思います。


◆PMAward2021選考委員である佐藤法仁内閣府上席科学技術政策フェローの講評
 今回は「新規性」、「有用性」、「組織の影響度」、「貢献度」を評価項目として、審査を実施しました。さらに私は総合的な視点として、次の3つに注目してファイナリストを選出させて頂きました。
 1つ目は、プロジェクトを実施することで、そのプロジェクトに関わった人や組織だけではなく、広い範囲での影響力という視点、つまり他の人や組織を動かせる「波及効果」です。2つ目は、「新たな社会課題解決の手法の創出」です。各プロジェクトの新規性や課題解決の実践方法などは、このコロナ禍においても、数多くの課題を解決する糸口となるものと強く感じました。最後の3つ目は、「変化を体感することのできる、新たな価値に触れられる」という点です。人は変化を体感することで、プラスにも、マイナスにも傾くものだと思います。今回のファイナリストの取組は、まさにこの「変化を体感することのできる、新たな価値に触れられる」というプロジェクトを極めたものだと感じています。
 このPM Awardは、「授賞セレモニーをして終わり」、ということに決して留まらず、ファイナリスト同志、特別協賛のみなさま、そして授賞セレモニーのオンラインでつながっている方々と共に、プロジェクトの横展開、特に一番重要と言える「新たな連携、共創の場づくり」を積極的に実施して頂ければと、本Awardの意義という点においても、そのように強く願っています。ぜひ次回以降、この場から芽生えた新たなプロジェクトが、ファイナリストとしてエントリーされますことを心から願っております。


<PM Award 2021の授与セレモニープログラム>
 13:30 開 始
 13:35 PMI日本支部会長挨拶
      片江有利 氏
 13:40 特別講演「デジタルネイチャー時代のプロジェクトの進め方」
      落合陽一 氏(メディアアーティスト/PMI「Future50」2021年度受賞)
 14:20 ファイナリスト紹介および特別賞授与
     ・学習用ICTプラットフォーム「Lentrance」(株式会社Lentrance)
     ・Kyoto City Official Travel Guideリニューアルプロジェクト(公益社団法人京都市観光協会、株式会社ロフトワーク)
     ・グローバル拠点のプロジェクトマネジメントITツール標準化(日本電気株式会社(NEC))
     ・生産者と消費者をつなぐ産直アプリ「ポケットマルシェ」(株式会社ポケットマルシェ)
     ・AI画像診断技術によるインドで10万人に結核診断アクセスを支援する社会貢献プロジェクト(株式会社NTTデータ)
     ・CallViewプロジェクト(オリックス生命保険株式会社)
 14:50 大賞発表・授与
 15:00 講 評
 15:20 クロージング
 15:30 終 了

授賞セレモニー動画およびファイナリスト紹介動画
https://www.pmij-award.net/pmaward2021


・「PM Award 2021」のホームページ
https://www.pmij-award.net/

・日本の卓越したプロジェクトを表彰する「PM Award 2021」最優秀プロジェクト賞はNTTデータのSDGsプロジェクトに決定!(PMI日本支部プレスリリース)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000078755.html


◆参 考
・岡山大学研究推進機構/オープンイノベーション機構
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学インド感染症共同研究センター
 http://wwwcid.ccsv.okayama-u.ac.jp/
・PMI日本支部
 https://www.pmi-japan.org/
・NTTデータ「PM Award 2021」最優秀プロジェクト賞を受賞~AI画像診断技術によるインドで10万人に結核診断アクセスを支援する社会貢献プロジェクト~
 https://www.nttdata.com/jp/ja/news/information/2021/120300/


◆参考情報
・【岡山大学】「PM Award 2021」に岡山大学が特別協賛し、特別賞を提供します
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000336.000072793.html


◆本件お問い合わせ先
<岡山大学の特別協賛に関する件>
 岡山大学オープンイノベーション機構/岡山大学研究推進機構
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟
 TEL:
 E-mail:ura-info◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

<PM Award 2021に関する件>
 一般社団法人PMI日本支部
 〒103-0008 東京都中央区日本橋中洲3-15 センタービル3階 PMI日本支部事務局
 E-mail:seminar◎pmi-japan.org
 https://www.pmi-japan.org/

 岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2021年12月  期共創活動パートナー募集中:
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000374.000072793.html

 岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
 岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
 岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています