14族カルコゲナイト材料の製造販売を手掛けるカルコジェニック株式会社(本社:東京都羽村市 代表取締役:西村 重雄)は、次世代材料である硫化スズ(SnS)を2インチサイズ(50mm角)までスケールアップしたナノシートを開発しました。2021年8月12日  より、試験販売の開始、及び、サンプルの無償提供を開始致します。

 硫化スズ(SnS)は半導体ですが、希少金属や有害元素を含んでおらず、硫化スズを構成する元素も自然界に豊富に存在することから、人体や環境に優しい材料です。また、硫化スズは、優れた光学特性を持ち、その結晶構造もグラファイトのような層状構造であることから、2次元材料として、さまざまな電子デバイスへの応用が期待されています。すでに、トランジスタ・二次電池負極材・ピエゾ素子・フォトコンダクタ・光触媒・ガスセンサー・太陽電池などの幅広い分野で基礎研究が進んでいます。基礎研究のレベルでは、数十mm程度のナノシートを用いていますが、硫化スズナノシートの製作は難しく、量産レベルのスケールアップが課題でした。

当社は、硫化スズナノシートを2インチサンズ(50mm角)までスケールアップすることに成功し、硫化スズの結晶構造や膜厚、比抵抗の制御技術を確立しました。硫化スズナノシート(SnS nanosheet)は、P型半導体であり、硫化スズの結晶も基板面と平行に配向させています。また、その比抵抗も数十Ωcmと低く抑えて製作することができます。