「おぼえていますか? あなたのわたしを」

 とても気になるキャッチフレーズを掲げ、活動の狼煙を上げたのが、ハイダンシークドロシー。メンバーは、男の娘として「病みかわ」好きな女性たちから高い支持を得ているハイトーンヴォーカリストの谷琢磨(Vo)。犬神サアカス團のメンバーだった情次2号(G)とジン(B)。そして、元Kraの靖乃(Dr)。4人とも個性/癖が強く、とてもおしゃべり好きだ。

結成の経緯は、現在の所属事務所であるアットワークスプロジェクトが2月11日  に琢磨を中心に据えた「女装イベント」を開催。同社が、谷琢磨のセッションバンドメンバーとして情次2号・ジン・靖乃の3人に声をかけたことがきっかけだった。ライブを通し手応えを覚えた4人は意気投合、バンドの結成へと繋がった。

バンド名の由来について谷琢磨は、「顔の見えない心の中の重い部分(感情)を、ときに楽しく鮮やかになど、その時々の表情で示せるような…。かくれんぼで言う「みぃ~つけたっ!!」みたいな物語を描きたくて名付けました。キーワードは"かくれんぼ"です」と語ってくれた。
この説明だけで意味を理解しようとすると難しいだろう。でも、8月5日(水)  に配信リリースになる1stデジタルシングル「メーズ」を聞いていただければ、谷琢磨の語る言葉の持つ意味の断片が見えてくる。

「おしえてあげる どうすればいいか きずついたのなら てのなるほうへ ねえ こっちで あそびましょう」(「メーズ」歌詞)
3オクターブ以上の声域を魅力にした谷琢磨の哀愁と浪漫抱いたオペラヴォイスから幕を開けた楽曲は、ジャーンと高らかに音を鳴らすバンド演奏が始まると同時に、跳ねたビートに乗せジャジーな調べを奏でだす。ノスタルジックな香りを身にまといながら次第に勢いを増す3人のスウィングロックした演奏の上で、心の病み/闇を描いた妖しく怪しい感情を、谷琢磨が心弾ませながらドラマチックに歌いあげてゆく。
主人公の気持ちの揺れに合わせ彩り豊かに声色が変われば、心が迷走するたびに楽曲も色鮮やかに転調し続けてゆくハイダンシークドロシーの1stシングル「メーズ」。
始まりの頃にあった妖美で闇な世界は、楽曲がクライマックスへ近づくにつれ華やかで絢爛な宴に変化。その様は、3時間に及ぶ濃密な舞台劇を5分強に濃縮したよう。別の言い方をするなら、温い風を受けて走り出したジェットコースターが、何時しか握ったバーを離せないほど急勾配を疾走する狂喜の箱に変わっていたような感覚だ。

配信リリースを前に、「メーズ」のMVも公開。彼らが描き出す"病み華やか"な世界が、現実(メンバーの姿)を投影した映像を通すことで、また異なる視点のもと、彩りを持って見えてくるだろう。

「メーズ」について、4人がそれぞれ言葉を寄せてくれた。

ジン:(コロナの影響による)正解の見えない時代に新たにバンドを始められるのは、僕らにとってはメリットでしかない。みなさんと一緒に新しい正解を体現しながら。至らぬ点は改善しつつ、共に楽しんでいけたらなと思っています。
「メーズ」は、谷くんの広い声域を活かしながら、次々と転調してゆく楽曲。MVの中、僕はかぶりもの姿で登場しています。裏話をすると、あのかぶりもの、激しく動くと余計な動きをしてしまう。個人ショットの撮影中、そこも意識して動きを抑えていたぶん、すぐに改良。グループ撮影では動きを良くしたように、そこの違いも観て楽しんでもらえたらなと思います。
靖乃:縁あって、この4人で。しかも、こんな時期の中で新たにバンド活動を始められたことに僕は幸せと感謝を感じています。音源・MVともに「メーズ」に描きだしたのは、ハイダンシークドロシーのほんの一側面でしかないこと。なのに、とても深い世界観を描き出しているように、その高いポテンシャルを感じてもらいたい。大人の我々が、大人げなく音楽を楽しんでいる様を、楽曲や映像を通し楽しんでいただけたらなと思います。
情次2号:「メーズ」は、古いアメリカンロックな匂いも含んだ暗いマイナー調の楽曲ですけど、明るくてジャジーな跳ねたリズムを持った曲調を通し、何かが生まれる期待感を覚えさせてゆく。暗さと楽しさのバランスを絶妙に組み合わせた楽曲を掲げ、期待を胸に歩み始めます。これからをぜひ楽しみにしていてください。
谷琢磨:始めの1分で「あー、こういう歌ね」と判断をして停止ボタンを押さないで欲しいんです。その先には、3オクターブの声域を活かしたジェットコースターのような世界が待ち構えています。最後までドラマチックに楽しんで聞いていただけるのが、この「メーズ」。
今、制作しているアルバムについても軽く触れるなら、メンバーそれぞれが歩んできた道にはなかった、新たな経験を反映した曲たちが並びそうな手応えを感じています。これまでの4人の中にはなかった新しさを感じ取っていただけるのがアルバムであり、ハイダンシークドロシーというバンドなんだと思います。


9月5日(土)には2ndデジタルシングル「ページェント」をリリース。9月20日(日)  には、赤羽ReNY alphaを舞台に「1st PREMIUM ONEMAN LIVE」も決まっている。1stアルバムも同日より発売になる。
まだまだ謎に包まれたバンドだ。でも、今回「メーズ」を通して見せた片鱗に触れ、奥深い闇のおもちゃ箱の世界へニヤニヤしながら呑み込まれてゆく楽しさも感じていた。これからハイダンシークドロシーがどんな物語を我々の前へ提示してゆくのか、また人生に新たな楽しみが増えたようで嬉しいじゃない。

TEXT:長澤智典

「メーズ」MV



★インフォメーション★

1stデジタルシングル「メーズ」
08/05(水)ダウンロード&主要音楽ストリーミングサービスで配信スタート!(¥255)

非圧縮WAV版+歌詞カードデータ+デラックスエディションパック(¥500)
アットワークスストア
https://at-works-project.stores.jp


2ndデジタルシングル「ページェント」
09/05(土)配信リリース予定!

2020年9月20日(日)  
1st full album リリース

先行digital single配信
2020年9月5日(土)  2nd digital single

※詳細徐々に公開予定!


★LIVE情報★

9月20日(日)  赤羽ReNY alpha
[ 1st PREMIUM ONEMAN LIVE ]

状況に応じた有観客+配信の予定
詳細決定次第随時告知


ハイダンシークドロシー Web
https://hsd.tokyo/
ハイダンシークドロシー twitter
https://twitter.com/HSDorothy2020

ハイダンシーク ツイキャス
https://twitcasting.tv/hsdorothy2020/

ハイダンシークドロシー Instagram
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