新型コロナウイルスの感染が世界中で拡大する中、東南アジアでの学校建設事業などをおこなっているエルセラーン1%クラブ(事務局・大阪市)とその提携NPOは2020年4月からアジア地域で、生活困窮者に対する食料品・生活支援金・衛生用品の提供やマスク作成などの自立支援を展開しています。

 バングラデシュでは4~5月、NPO法人p.u.sバングラデシュの村を良くする会(事務所・兵庫県丹波篠山市)の協力をいただき、p.u.sとエルセラーン1%クラブが合同で建設した小学校の生徒155人の家庭を含む合計約400世帯に対してそれぞれ、生活支援金1,500タカ(約1,500円)と支援物資約1,000タカ相当を配布しました。支援物資は米、小麦粉、食用油、塩、砂糖などで、支援総額は100万円相当です。
 p.u.sは5月以降もバングラデシュ国内各地の小学校などで、学校の先生や地元の教育委員会、PTA関係者の協力を得ながら炊き出しや生活支援物資の配布を続けています。

公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(本部・東京)は、新型コロナウイルス感染予防事業として、3つの事業を開始しました。一つ目が衛生用品の配布です。ネパールでの病院や保健所へ1万枚のマスク提供、医療用品の配布の他、アフガニスタンでは、経済的困窮家庭500世帯での食料品、衛生用品の配布を行いました。二つ目は、感染予防のための啓発活動です。手洗い習慣のないアフガニスタンで、ポスターなどを制作し、予防の概念を普及しています。三つ目は、教育文化活動における新しい展開です。カンボジア、ミャンマーではオンラインでの学習機会を増やすため、シャンティが出版した絵本などの読み聞かせ動画や電子書籍を公開することで、教育格差の是正に貢献しています。

 タイでは、シーカー・アジア財団(本部・バンコク)が4月から、スラムで暮らす女性たちの収入を確保して自立を支援するため、布製マスクを作って備蓄・配布する「マスク銀行」(Mask for Life)をスタートさせました。財団が寄付金を募り、100枚3,000バーツ(約1万円)で女性たちから買い上げてタイ国内やカンボジア、ラオス、ミャンマー、ネパールなどの周辺地域へ配布することにしています。感染拡大の長期化が予想される中、スラム発の支援事業として力を入れることにしています。

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 エルセラーン化粧品広報部 辻野
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資料メモ

エルセラーン1%クラブ 自然派化粧品を販売するエルセラーン化粧品株式会社(本社・大阪市、糸谷沙恵子社長)がボランティア事業をおこなうため、販売代理店の方たちと1983年に設立した任意団体。販売代理店の利益の一部と社員らの寄付が原資。2008年からは学校建設事業に力を注ぎ、提携するNPOとともに東南アジアを中心に10カ国で177校を開校させています。

 NPO法人p.u.sバングラデシュの村を良くする会 バングラデシュの貧しい農村部の子供たちに教育を受けさせ、貧困から脱出させるため1988年に活動を開始。文具を送ることから始め、生活支援や学校建設、障がい者施設の支援、職業訓練校生への奨学金支給などへと活動の幅を広げています。現地住民が作った衣料品を兵庫・丹波篠山の衣料雑貨店で販売もしています。

 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 1981年に設立し、カンボジア難民支援やタイのスラムで職業訓練支援などを開始。その後、教育・文化支援を中心に活動地域もラオス、ミャンマー、アフガニスタン、ネパールへと拡大しています。特に学校教育事業や図書館運営事業、絵本・紙芝居の出版・配布活動に力を注いでいます。

 シーカー・アジア財団 シャンティ国際ボランティア会のタイの現地法人として1991年設立。バンコクのスラムや地方の貧しい地域の子供たちに教育の機会を与えることを目的に、図書館事業や若年層の職業訓練、学生寮の運営などをおこなっています。

 関係国の感染状況(6月9日  現在、米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター集計) 
 バングラデシュは感染者7万1,675人、死者975人。首都ダッカは軍隊が出動して都市封鎖、貧困層は収入がなく救援物資や炊き出しに頼っています。
 ネパールは感染者4,086人、死者15人。首都カトマンズは3月から始まった都市封鎖が現在も続いています。
 アフガニスタンは感染者2万2,142人、死者405人。3月中旬から都市封鎖が始まり、貧困層は収入がなく日々の食糧の確保もままならない状態です。
 タイは感染者3,125人、死者58人。6月末まで非常事態宣言下で保育園、幼稚園~大学すべてと図書館が閉鎖中。経済活動は停止し貧困層は食糧難の状態です。

以上