セキュリティ強化など付加価値の高いデスクトップ環境を構築。ワークスタイル変革やBCP対策にも貢献


ITインフラのソリューション・ディストリビューターである株式会社ネットワールド(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 森田 晶一)は、人材総合サービスの株式会社フルキャストホールディングス(本社:東京都品川区、代表取締役社長CEO 坂巻 一樹)が、ネットワールドが提供する「VMware Horizon View」(以下View)により、全国106拠点・1,000名のスタッフが利用するクライアントPCをVDI(仮想デスクトップ基盤)化し、また、高いコストパフォーマンスで性能を向上させるためにハイブリッドストレージソフトウェア「VMware Virtual SAN」(以下VSAN)が採用されたことを発表します。

同プロジェクトは、Windows 7への移行を機に実施されたもので、単純な物理PCの入れ替えではなく、情報漏洩対策などのセキュリティ強化、ワークスタイル変革やBCP対策にも貢献することから、VDI環境の構築が決定されました。新しいVDI環境は、2015年5月  より段階的に本番稼動を開始しており、年内には全端末が完全移行される予定です。

システムの構築・サポートは、ネットワールドのパートナーであるデル株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長 平手 智行)が担当しました。システムの構築にあたっては、VDIやVSANに精通したネットワールドのエンジニアによるサポートが高く評価されました。また、フルキャストからは、VDIの豊富な導入実績を基に、VDI運用を見据えたデスクトップ展開方法のアドバイスや、印刷等の通常業務に関する注意点等、業務効率化に役立つ実践的かつ実用的なテクニックなどを提供したことに対する評価をいただきました。


◆ 導入の背景
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フルキャストグループは、短期人材サービスをコア事業として、企業の人材ニーズに対応する多彩なサービスを提供していますが、同社が提供する人材マッチングの規模は1日あたり10,000名にも達するため、精度の高いマッチングをスピーディに行えるよう、社内のITインフラの整備・拡充に努めてきました。
今回のVDI化プロジェクトは、Windows 7への移行を機に実施されたもので、単純に物理PCを買い換えるのではなく、ワークスタイル変革やBCP対策などにも貢献する付加価値の高い環境を構築することになりました。特に同社は今後、マイナンバー収集・管理代行サービスなどを手がけることから、情報の安全性確保が最優先の課題であり、セキュリティ強化も重視した結果、端末内にデータを持たないVDIは情報漏洩リスクを最小限に抑えられることが評価され、採用が決定しました。


◆ 導入システムの概要と選定ポイント
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フルキャストグループは、サーバ仮想化基盤としてVMware vSphereを利用しており、その実績や信頼性を高く評価し、親和性や一括保守の観点からVMware Horizon Viewを選択しました。
サーバは、「DELL PowerEdge R720xdラックサーバ」を11台導入。予備機1台を除く10台のサーバに各100人分の環境を収容し、合計1,000ユーザ分の環境を賄っています。また、オフィス利用向けにゼロクライアント端末を800台導入したほか、社外利用の多い営業担当者用には「Windows Thin PC」を搭載したノートPC 200台を導入しました。

また、大量の端末からのアクセスが集中するVDIにおいては、ストレージのI/O性能が重要であることから、次世代型ハイブリッドストレージソフトウェアVSANを採用しました。
VSAN は、仮想基盤を提供する各サーバ内蔵のSSD/HDDをプール化すると同時に、高速なSSDをリード/ライトバックキャッシュとして利用可能にするため、高価な共有ストレージを導入することなく、高い性能と信頼性を確保できる上に、性能や容量が不足した場合も、サーバを追加していくだけで簡単にスケールアウトすることが可能です。SDS(Software Defined Storage)アプライアンスやオールフラッシュ・ストレージなどと比較した結果、共有ストレージを冗長構成で別途導入する場合と比較し、約4,000万円程度のコスト削減ができ、容量増設の度にSI費用がかさむこともなく、最もコストパフォーマンスに優れていると判断されました。


◆ 導入の成果と今後の展開
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新たなVDI環境が稼働を開始したことで、万一PCが盗難・紛失被害に遭った場合にも、情報漏洩などのリスクを軽減することができるため、課題であったセキュリティ強化が実現しました。また、自宅からでも安全に業務環境を利用できることから、隙間時間の活用や女性の活躍推進、自然災害への対応などにも大きな効果が期待されています。
運用管理工数も大幅に削減されており、1,000台のうち800台は、リンククローン方式を採用することで、端末の展開にかかる作業は以前の約1/5程度の時間で行うことができるようになりました。
さらに、デスクトップ環境がデータセンター側に移行したことで、ファイルサーバなどへのアクセスが速くなったことや、日中にウイルス対策ソフトによるフルスキャンがなくなりOSの動作が遅くなるということがなくなったことから、エンドユーザである社員からも好評を得ています。
フルキャストグループは、今後、VDI環境のマイクロセグメンテーション化を実現する「VMware NSX」などの導入も検討し、さらなるセキュリティ強化を図る計画です。