Linuxの成長と普及に取り組むグローバルな非営利団体であるThe Linux Foundation (略称:LF)は、来る6月1日(月)  ~3日(水) 神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて開催するアジア地区で最大規模のLinux/OSS (オープンソースソフトウェア)の国際技術カンファレンス「LinuxCon Japan 2011」(以下 LinuxCon Japan)のプログラムを発表しました。
http://events.linuxfoundation.org/events/linuxcon-japan/schedule

日本で3回目の開催となる今年はLinux誕生20周年という記念すべき節目の年であり、Linuxの創始者であるLinus Torvalds氏も来日し、また、クラウドコンピューティング、情報家電や自動車などコンシューマー製品への組み込み開発をはじめ、昨今のLinuxの躍進を象徴するプログラムも多数予定されています。


「LinuxCon Japan」は、日本、アジア諸国はもちろんのこと、世界中からLinux/OSSの開発を牽引するリーダーやトップクラスのエンジニア、意思決定者、および業界エキスパートが結集し、様々な観点での講演や議論を通じて、Linux/OSSの発展を促進することを目的としています。
プログラムの中核となるのは、世界中から公募し厳正な審査を経た技術発表(プレゼンテーション、パネルディスカッション、ミニサミット、チュートリアル)です。開発者、エンドユーザ企業、学生など、 Linux に興味を持つ誰もが参加でき、自身が抱える課題に関して、開発コミュニティのリーダー達と直接議論する機会を持つことができます。


Linuxは、誕生から20年を経て、世界の主要株取引システムや電力供給システムなどの社会インフラ、企業のデータセンターを支えるOSとして成長を続けています。また、「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」をはじめとするクラウドサービスもLinux上に構築され、主要プラットフォームとして多くの利用者に提供されています。さらに、スマートフォンや情報家電、車載システムなどの組み込み製品におけるLinuxの利用は著しく増加しています。

「LinuxCon Japan」の基調講演、特別講演、ならびに技術発表の各プログラムでは、こうした状況を踏まえて、仮想化、信頼性、開発環境、ライセンスコンプライアンスなど、Linux生誕20周年にふさわしい重要かつ最先端の情報を得られる充実したセッションが揃っています。

会期3日間で約60セッションに及ぶプログラムの中で、Linus Torvalds氏の基調講演に加え、以下にご紹介するセッションに特に大きな注目が集まると予想されます。

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◆基調講演
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◇ カーネルコミュニティの動向を概観する:
  Jonathan Corbet 氏 (Executive Editor, LWN.net)
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Corbet氏は著名なカーネル開発者であるとともに、LWN.netのエグゼクティブエディターとしても活躍しています。カーネルコミュニティの開発動向に関する広範かつ深い知見を有し、Corbet氏が執筆するLinux Weather Forecast (http://www.linuxfoundation.jp/news-media/lwf) は、ロードマップのないカーネルコミュニティの先行きを知るための貴重な情報ソースとなっています。
本講演では、カーネルコミュニティにおける最新の開発動向をレポートして頂き、Linuxコミュニティのマクロな状況を解説していただきます。
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◇ 組み込み開発の最新イノベーションに迫る:
  Dirk Hohndel 氏 (Chief Linux and Open Source Technologist , Intel, Yocto Project)
  David Rusling 氏(CTO, Linaro)
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組込みシステム開発のイノベーションを加速する2つの取り組みとして昨年スタートしたThe Yocto Project(注1)、および Linaro(注2) に関して、Linux の世界でパイオニアとして長く活躍してきたHohndel氏、Rusling氏が、その意義、仕組み、活用の利点について講演します。
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◇ 企業はなぜOSSに取り組むか? の問いに答える(Android 開発プロセスを事例に):
 James Bottomley 氏 (Distinguished Engineer, Novell)
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Bottomley氏はNovellのDistinguished Engineer であるとともに、LinuxカーネルコミュニティではSCSIサブシステムのメンテナとしても活躍しています。企業とコミュニティ双方に深く関わる立場から、企業がコミュニティに対して投資を行うことに対する正当性を理論的に説明する講演を数多く行っており、その理論は日本OSS推進フォーラムの組込システム部会(http://ossforum.jp/embedded_sub)の2008年、2009年の提言書の中でも引用されています。
本講演では、Android開発プロセスを検証し、OSSのプロジェクトとして学ぶべき点や改善すべき課題などを指摘します。
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◆カーネル開発リーダー特別講演
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Greg Kroah-Hartman 氏 (Stableツリーメンテナ、Fellow, Novell)、Christoph Hellwig 氏(Storage Virtualization)、Chris Mason 氏 (Btrfsメンテナ、Oracle)、 Ted Ts’o氏(Ext4ファイルシステムメンテナ、Google)、Ric Wheeler 氏、Herbert Xu氏(Red Hat) など、Linuxカーネルコミュニティを牽引する開発者が多数来日し登壇する予定です。
また、Tejun Heo氏(Max Planck Institute for Gravitational Physics: 韓国)、Eugene Teo氏(Red Hat:中国)、亀澤寛之氏(富士通)などアジアを代表するカーネル開発者も多数登壇を予定しています。

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◆業界リーダー特別講演
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コミュニティのカーネル開発リーダーに加えて、Tim Bird 氏(CE Working Group、Sony)、 Mark Charlebois氏(Director Open Source Strategy、Qualcomm Innovation Center)など国内外の業界リーダーも多数登壇する予定です。

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◆技術発表
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クラウド、モバイルなどのビジネス分野を支える要素技術の最先端が集結!

Linux業界リーダーによって構成されるプログラム委員の厳正なる審査をパスした講演ラインナップは、現在国内で注目を集めている分野を幅広く網羅します。国内外のトップリーダーたちによる以下の講演は、Linux/OSSに関心がある開発者、OSSシステム利用者から、トップマネージメントに至るまで幅広い層のニーズにお応えできる内容です。

・ Linux Kernel
・ 仮想化/ネットワーク
・ パワーマネージメント
・ 組み込みLinux開発ツール (Yocto、Linaro)
・ OpenStack
・ デスクトップ
・ OSSコンプライアンス



(注1) ………………………………………
The Yocto Project はThe Linux Foundationのワーキンググループとして2010年に発足しました。あらゆるハードウェア アーキテクチャや市場を対象に、カスタム Linux ディストリビューションを開発するための高品質なオープンソースの基盤やツールを提供します。詳細情報は以下をご覧ください。
http://yoctoproject.org/

(注2) ……………………
英ARMや米IBM、韓国Samsungなど6社が、ARMチップ上で動作するLinux環境の開発を支援するために、SoC共通のツール/ソフトウェア土台を提供していく非営利組織。詳細情報は以下をご覧ください。http://www.linaro.org/
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◆「LinuxCon Japan 2011」開催概要
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http://events.linuxfoundation.jp/events/linuxcon-japan
◇日 程:2011年6月1日(水)  ~3日(金)
◇場 所:パシフィコ横浜 http://www.pacifico.co.jp/
◇内 容:基調講演、カーネルメンテナの特別講演、技術発表、チュートリアル、
Birds of a Featherセッション、ミニサミットなど、全体で約60セッションを予定。
※プログラム詳細は順次Webサイトにて公開。
◇対 象:Linuxおよびオープンソースソフトウェアに関心を持つすべての方
◇参加費:200USドル
     (5月3日  まで早期登録割引として150USドルにて登録が可能 / 学生は75USドルにて登録可能)
◇申込み:以下のWebサイトから
http://www.regonline.com/Register/Checkin.aspx?EventID=930990

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◆「LinuxCon Japan/Tokyo2010」スポンサー
(4月19日  現在)
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LinuxCon Japan/Tokyo 2010は次のスポンサー企業様のご支援によって運営されます。

◇プラチナスポンサー
インテル株式会社、株式会社日立製作所、日本電気株式会社、富士通株式会社

◇ゴールドスポンサー
株式会社日経BP、日本アイ・ビー・エム株式会社

◇シルバースポンサー
株式会社NTTデータ

◇ブロンズスポンサー
エルピーアイジャパン、株式会社ソニー、Black Duck、Monty Program、
SkySQL、SoftLayer

◇メディアスポンサー
株式会社IDGジャパン(Computerworld.jp)、株式会社Impress Watch(クラウドWatch)、OSDN株式会社(SourceForge.JP、Slashdot Japan)、アイティメディア株式会社、朝日インタラクティブ株式会社(ZDNet Japan、builder)、インターネットコム株式会社(japan.internet.com)、株式会社技術評論社(gihyo.jp)、株式会社翔泳社(CodeZine)、株式会社 毎日コミュニケーションズ(マイコミジャーナル)

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◆「LinuxCon Japan」について
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The Linux Foundationは、2009年10月  に、アジア地域初の大規模な国際技術カンファレンスとして「Japan Linux Symposium」を開催し、1,500名余の来場者を集め、アジア地域におけるLinux開発者の意見交換の場として大成功を収めました。それを受けて、The Linux Foundationでは、北米最大のLinuxカンファレンスとして毎年開催している「LinuxCon」のアジア版としてこれを位置づけ、2010年より「LinuxCon Japan」の名称で展開しています。