市内17施設で公開するPCと庁内PCをVDI化
重複排除バックアップストレージにより、データ保全とBCP対策を強化


ITインフラのソリューション・ディストリビュータである株式会社ネットワールド (本社:東京都千代田区、代表取締役社長 森田 晶一)は、千葉県印西市が実施した市民向けの公開PCの仮想化プロジェクト、ならびに市役所の業務サーバ仮想化プロジェクトにおいて、仮想化基盤として「VMware vSphere」と「VMware Horizon View」、ならびにネットワークストレージ「EMC VNX」と重複排除バックアップストレージ「EMC Data Domain」が採用され、本格稼動開始したことを発表します。

PCの仮想化プロジェクトでは、市民向けに公開しているPCと庁内のPC合計30台をVDI(仮想デスクトップ)に移行しましたが、従来の物理PCと比較しても性能面での不満はまったくないことが実証されたことから、WindowsXPのサポート期限切れに合せて、庁内クライアントの一部をVDI環境へ移行可能か検討を進めています。「EMC VNX」は、スケーラビリティが高く段階的に拡張可能なこと、予想を超える負荷が集中した場合にも高性能を維持できる機能などが高く評価されました。
サーバの仮想化においては、約40台の物理サーバを集約することで、サーバルームの省スペース化や運用効率化を図ることに成功しました。
バックアップにおいては「EMC Data Domain」により、従来のテープバックアップからD2Dバックアップへ移行したことで、日々の煩雑なオペレーションが不要となりコストも大幅に削減できました。

システムの構築・サポートは、ネットワールド、ならびに同市のITパートナーである株式会社大崎コンピュータエンヂニアリング(本社:東京都品川区、代表取締役社長 武田 健三)が担当しました。
印西市は、2010年3月  に旧印西市、印旛村、本埜村が合併して誕生し、その際に実施した業務システムのネットワーク基盤の刷新において大崎コンピュータエンヂニアリングとネットワールドの両社が協業して支援しました。今回の仮想化プロジェクトにおいても、両社のエンジニア同士が緊密に連携して、現場での手戻り防止や設計品質の向上に努め、わずか2ヶ月程度での短期構築に成功しました。


◆ 導入の背景
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千葉ニュータウンを抱える印西市は、都心のベッドタウンとして、またハイテク産業の担い手として目覚ましい発展を続ける一方で、印旛沼、手賀沼、利根川の水利を活かした米、野菜などの栽培も盛んで、大手経済誌主催の全国自治体の「住みよさランキング」では2年連続で総合評価1位にランクされています。
市民の利便性向上に貢献するために、IT環境の整備・拡充にも注力しており、市内17ヶ所の施設に20台のPCを配置して市民に公開していますが、これらの経年劣化が進み、保守対応の回数も増えてきたことから、VDI(仮想デスクトップ)への移行を決断しました。
また、庁内では業務サーバ台数が年々増加し、約40台が稼働していましたが、設置スペースの問題、ハードウェアの定期更新等の問題を解決するために、VDIインフラの導入と併せて、サーバ仮想化にも同時に着手しました。
さらに、自治体においても大規模自然災害などへの対応が大きな課題であることから、デスクトップ/サーバ仮想化を機に、従来のテープベースからディスクベースにバックアップ体制を切り替え、データ保全とBCP対策を強化しました。


◆ 選定のポイント
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デスクトップおよびサーバの仮想化基盤には、導入実績が豊富であり、既存アプリケーションへの対応が容易であるなどの理由から「VMware vSphere」、「VMware Horizon View」を採用しました。
また、仮想化基盤用のストレージには、EMC社製ネットワークストレージ「EMC VNX」が採用されました。「EMC VNX」は、重要なサーバ群や業務データを格納するための信頼性・可用性の高さに加えて、以下の点が高く評価されました。

(1) スケーラビリティの高さ
サーバの仮想化は更新時期を迎えた機器から順次行われるため、あまり最初に余剰なリソースを抱え込むと費用対効果が悪くなるが、VNXはスモールスタートで始めて後から柔軟に拡張していくことが可能。

(2) VMware仮想化環境との高い親和性
VNXはVMwareが提供する「VAAI」(vStorage API for Array Integration)に対応しており、仮想サーバの展開やSnapshot、Storage vMotionなどの処理も高速に実行することが可能。

(3) 負荷集中時にも高性能を維持できる「FAST Cache」機能
ストレージ筐体内に搭載されたフラッシュドライブをキャッシュとして利用するための機能で、突発的に負荷の集中が生じても、高い性能を維持することが可能。VDIは、公開PCだけでなく庁内クライアントへの展開も視野に入れていたため、こうした機能が用意されていることは非常に重要だった。


◆ 導入成果と今後の展開
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VNX上には、VDI用、仮想サーバ用の領域が確保されており、VDI用領域には、公開用PCと庁内クライアント合わせて約30台分のデスクトップ環境の集約が完了しており、業務サーバは、更新時期を迎えたものから段階的に移行作業を進めています。
VDIは、従来の物理PCと比較しても性能面での不満はまったくないことが実証されたことから、WindowsXPのサポート期限切れに合せて、庁内クライアントの一部をVDI環境へ移行可能か検討をすすめています。
バックアップシステムには、EMC社の重複排除バックアップストレージ「EMC Data Domain」が採用され、テープベースのバックアップと比較して、毎日の煩雑なオペレーションが不要になり、バックアップコストが大幅に軽減されました。今後は、遠隔地へのレプリケーションも予定しています。

※導入構成イメージ図を以下でご覧いただけます。
http://www.networld.co.jp/news/press2013/1007.htm