今年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で史上初の四冠を受賞した現在全国公開中の「くそガキの告白」や、園子温も絶賛する「まだ、人間」などに主演する辻岡正人(33)が仏教を題材にした時代劇「仁光の受難」に僧侶役で主演することがわかった。

僧侶を演じるにあたり人生初となる剃髪、スキンヘッドを敢行した辻岡は「塚本晋也監督のバレット・バレエでデビューしてから15年。俳優人生に於ける一つの節目として、素敵な作品と巡り合うことができた。身も心も初心に帰って、新たな思いで日本映画の支柱を担えるような人間を目指して精進いたします」と神妙な面持ちで語った。

時代劇は現代劇に比べて撮影場所や道具、衣装など美術全般に巨大な予算がかかるため、制作される本数は極めて少なく敬遠されがち。さらに本作では予算の関係から辻岡以外は全員新人俳優で構成され、女性キャストは全員がフルヌードという影響もあり、クランクイン直前にスポンサーが退陣するという事態に見舞われた。それでも監督の自己資金と、一般から企画の面白さで資金を集うクラウドファンディングを活用して制作される。

監督は今作で劇場デビューとなる庭月野議啓(31)。辻岡とタッグを組むことに「この映画は、内容の過激さから敬遠・拒絶され、常に超逆境の中を進んできました。そんな中で辻岡正人という最強の理解者と巡り会えたことは、これ以上ない僥倖でしょう。今まで誰も観たことがないような新しい映画を、新しい辻岡正人を約束します」と自信満々に話した。

物語は武州の延明寺で修行に励む勤勉な僧侶、仁光(辻岡正人)を中心に巻き起こる。仁光は若い子娘や熟れた女房、枯れ果てた老女からも愛されるモテモテ振り。僧侶にとって女犯は重罪であるため、戒律を破ることなく修行に励んでいくが、やがて男の性を喰らう怪女と出会い、抑制していた欲望が噴出していく――。

史実「延命院事件」や伝承「二恨坊の火」から着想を得た創作妖怪や、「曼荼羅」「浮世絵」「百物語」を実写とアニメーションを交えて壮大に表現される。映画は10月7日  にクランクインし、山形県庄内映画村を中心に、関東、東北全域の寺院、古刹で撮影される。映画は2014年全国公開される予定。 (文/磯部宏和)

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