学校、病院等における業務用厨房機器の製造・販売を行う中西製作所(東証スタンダード:5941、本社:大阪市生野区、代表取締役社長:中西一真)は、経済産業省が定めるDX認定制度に基づく「DX認定事業者」に、2023年7月1日  、厨房機器業界で初めて※1認定されました。
今回、DX戦略を更新し、2025年2月7日  に実施された取締役会にて承認されましたので、お知らせいたします。
※1:当社調べ(2023年7月  時点)
■当社の「DX戦略」について
当社では業界に先駆けてデジタル技術の活用と情報革新に取り組んでおり、いち早く社員にPCとスマートフォンの配布を完了し、基幹システムの革新も実現しました。今後はさらに、このデジタル技術活用を推進し、厨房機器業界内でのデジタル化推進ナンバーワン企業としての位置づけをより強固なものとし、事業のあらゆる面を変革して競争上の優位を確立いたします。 具体的には以下の6つのテーマについて取り組みを進めて参ります。

(1) デジタル技術による生産性の向上
(2) デジタル技術を用いたリアルタイム経営の推進
(3) デジタル技術を用いた多様な働き方のサポート
(4) デジタル技術による新しいマーケティング
(5) 製品・サービス自体のデジタル化の推進
(6) デジタル技術を用いた社員のスキルアップやデジタルリテラシーの底上げ
※詳細は別紙

■「DX認定制度」の概要
DX認定制度とは、2020年5月15日  に施行された「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」に基づいて、ビジョンや戦略・体制の整備などをすでに行い、DX推進の準備が整っている事業者を経済産業省が認定する制度です。

※情報処理推進機構(IPA)の DX 認定に関するサイト
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-nintei/dx-nintei.html

<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社中西製作所 DX推進室
〒104-0033 東京都中央区新川1丁目26-2新川NSビル
TEL: FAX:
E-mail :

(別紙)
当社におけるDX戦略について

1. はじめに(経営戦略とDXビジョン)
 当社は「切磋琢磨して、斬新なアイデアを提供できる企業人となり、良品廉価を持って顧客に奉仕し、万人の食生活をますます豊かにすることに貢献する」を経営理念に掲げ、「時代の流れやマーケットニーズを的確につかんだ製品やトータルシステムの開発を進め、これからも人々の社会生活の多様化に対応した『食文化のコーディネーター』として、食生活に新たな価値を創造する」ことを経営戦略として参りました。
 2021年に創業75周年を迎えたことを期に中期経営計画を策定し、2022年7月に公表しました。この中期経営計画では、既存のマーケットにおけるシェアやプレゼンスを維持しつつ、周辺分野へ販路を拡大するとともに、新規市場に対しての製品開発と人材育成を行い、競争力を強化することを基本方針としています。
中長期的な施策としては、多様な人材が活躍できる環境を整え、生産性向上と多様なニーズに対応するダイバーシティを推進し、社員満足度の向上を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指すこともうたっています。
 当社では業界に先駆けてデジタル技術の活用と情報革新に取り組んでおり、いち早く社員にPCとスマートフォンの配布を完了し、基幹システムの革新も実現しました。今後はさらにこのデジタル技術活用を推進し、厨房機器業界内でのデジタル化推進ナンバーワン企業としての位置づけをより強固にし、顧客への提供価値増大、競争力強化、従業員満足を通じた社会全体への貢献の3つをさらに増大させることをDXビジョンとします。

2. 当社におけるDX戦略の概要と取組状況
 こうしたビジョンの策定に向けて、当社はこれまでに取り組んできたデジタル化と情報化を加速し、デジタル技術を用いて事業のあらゆる面を変革し、競争上の優位を確立します。
具体的には以下の6つのテーマについて取り組みを進めて参ります。
(1) デジタル技術による生産性の向上
当社では1981年より基幹業務のシステム化に取組み、オフコン、C/Sシステム、Webシステムを経て2022年6月より新業務システムをリリースしました。
当社の業務システムのコンセプトは、「情報発生源入力」「複数回入力の撲滅」「ペーパーレス化」「ワークフロー化」であり、特殊性の多い厨房業界の受発注作業における人手とミスを極小化しております。
当社では、当社内の業務プロセスに留まらずバリューチェーン全体の業務効率化についてもデジタル技術を⽤いた改善を⾏ってきており、取引先からの請求書授受作業の廃止を行っております。
基幹システム以外においても、月次・年次帳票や入札関係書類のワークフロー活用によるペーパーレス化を実施しております。
   その他、当社では以下のような様々なIT技術を活用し、業務改善や生産性の向上に取組んでいます。
① RPA(Robotic Process Automation)の導入
RPAツールとしてPower Automate Desktopを使用し、日常業務の自動化を図っています。このツールにより、定型業務の効率化やヒューマンエラーの削減が実現され、業務全体の生産性向上を目指しています。
② RAG(Retrieval-Augmented Generation)の導入検討
情報検索と生成の効率を高めるため、RAGの活用を進めています。RAGは、大量の情報から関連するデータを検索し、それに基づいて高度な生成型AIを使用し回答や提案を行う技術です。この仕組みにより、より精度の高い情報提供や意思決定の迅速化が可能となり、業務効率の向上に寄与しています。
③ BIM(Building Information Modeling)の取り組み
厨房業界のリーディングカンパニーとして、同業他社に先駆けてBIMに取り組んでおります。建築業界では必須のBIMですが、厨房業界ではBIMに取り組んでいる企業が少ないのが現状です。当社は即時対応が出来るよう、既に専門チームを設置し、最新の技術とツールの導入を進めて、業界のニーズに迅速かつ柔軟に応えられる体制を整えています。
④ 人事関連システム統合
人事給与業務の効率化とデジタル化を推進するため、Super Streamを2025年1月  より導入しました。このシステムにより、人事・給与情報の一元管理が可能となり、業務フローの標準化と情報の正確性が向上しています。加えて、データ連携の自動化により、迅速な意思決定や情報の可視化が実現されました・
⑤ 採用関連
新卒採用に関して、ダイレクトリクルーティングツールを使用し採用活動の効率化に努めているほか、初回面談の約9割はWeb形式で行うなど採用面においてもデジタル技術による生産性向上を図っております。また、企業説明会などではデジタルツールを用いて説明をすることでペーパーレス化を図っております。
デジタル技術による生産性の向上を日々可視化することは、これまで無意識、当たり前で行っていた業務から無駄をそぎ落とし、手作業で行っている業務のあり方を根本から改善、効率化する良い機会になります。こうした取り組みは今後も継続し、デジタル社会における効率的な業務遂行を妨げるサイロ化、属人化の撲滅へつなげていきます。

(2) デジタル技術を用いたリアルタイム経営の推進
当社では、GoogleWorkspace上に経営ダッシュボードを構築し、経営層が日々リアルタイムに全社の経営状況を把握できる仕組みを構築済みです。
経営ダッシュボードでは、案件管理データベースと期間損益シミュレーションを中心に、数年先までの経営予測が出来るようになっています。
経営ダッシュボードの構築にあたり、営業部門における案件管理手法の統一化を行い、営業活動におけるKPIを揃えました。これにより日々営業現場が用いている報告がそのまま経営層宛に報告・集計されるようになり、報告用会議の為の資料作成の手間は10分の1以下になりました。
更には案件情報の過去データとの比較、対象部門の拡大、予測数値の精度アップ等のアップデートを行いました。
今後はこの経営ダッシュボードのさらなる高度化を図り、生産部門の数値情報の提供や、AIやシミュレーション機能を用いた予測数字の精度アップを行い、より迅速かつ的確な経営判断を行える環境を整えます。

(3) デジタル技術を用いた多様な働き方のサポート
当社では2015年より社員への携帯電話の配布を始め、2017年にはスマートフォンへの切り替えを完了しました。これと並行してPCの1人1台化も進めリモートでの執務環境を整えてきました。経費精算、勤怠管理、ワークフロー、eラーニング、人事給与等大半の間接業務はデジタル化済みであり、コロナ禍初期にはスムーズに在宅勤務を導入し、即座に社員の半数以上が在宅勤務へ移行しました。
本社及び一部の営業所においてはクラウドPBXの導入も完了しており、電話番の為の出勤を廃止しております。
当社では、タブレットを用いたペーパーレス会議システム、GoogleWorkspaceの共有フォルダ、スケジュール管理システムの会議情報へのアジェンダと配布資料の登録、議事録への署名の電子化等により、取締役会、本部長会(経営会議)をはじめとした会議の多くでペーパーレス化が実現できています。
また、東京本社内においてはフリーアドレスを導入し、座席の自由化や会議スペー
ス確保の他、テレワークや勤怠システム対応により時間有休も取り入れて多様な働
き方をサポートする環境を整えました。
今後は更に支店・営業所の環境改善も進めていく予定です。

(4) デジタル技術による新しいマーケティング
当社はホームページのコンテンツを充実させ、広報・PR・IR 活動を推進しています。今年度は株主・投資家向けに、当社製品の海外への寄贈のニュース等のサステナブル活動をまとめ、ページを新規に作成しました。社内イベントは随時infoに掲載し、常に更新を行っています。動画を活⽤した会社・製品説明も充実させ、加熱機器、洗浄機器等のカテゴリーごとに当社のYouTubeチャンネルに紹介しています。新卒採⽤の為の会社紹介動画は現在2.3 万回以上再⽣され当社の採用活動に役立てており、中には再生回数が17万回を超えた動画もあります。また、VR 技術を⽤いた給⾷センター内のレイアウト体験などIT を駆使した販売促進ツールを活用し、リアルな展示会でも来場者へ紹介し、デジタルとリアルを融合した戦略を図っています。当社の⼤型製品の特⻑や構造を判りやすく理解していただくための説明動画も引き続きお客様や取引先から好評で、今後発売する新製品についても制作・公開していく予定です。お客様へ送信するダイレクトメールは、各部署と連携して時勢に合わせた話題をテーマに有用な情報を作成しているため、開封率が高く好評で案件の引き合いに繋がっているケースもあります。当社はBtoBのビジネスモデルですが、CSRやリクルート活動を目的として、新たにSNS(Instagram)を立ち上げ、フォロワー数の拡大を目指してコンテンツを定期的に作成しています。
当社の主要なマーケティングツールに展⽰会への出展がありますが、当社の機械は⼤型製品が多いため、展⽰会において全ての機械を展⽰することは不可能です。そのため、3D ホログラムを活用した製品紹介を以前より行っており、海外での出展会出展の際もブースに設置しています。普段は見えない機器の内部や裏側、構造等を特殊な画像で再現したコンテンツを展示会場で来場者が見ることができるため、毎回多くの来場者が立ち止まり、集客につながっています。当社の主力アイテムである炊飯システムのほか、今後過熱水蒸気の仕組みを説明するコンテンツを追加制作する予定です。海外展示会が増えていくことが予想されるため、英語版のコンテンツも増やしており、イラスト2D、3Dを取り入れてわかりやすさを追求しています。

(5) 製品・サービス自体のデジタル化の推進
メーカーとしてデジタル技術を⽤いた製品強化にも取り組んでいます。
既に当社のお客様にあたる外⾷チェーン様向けには店舗カルテシステムを構築し、店舗内の厨房機器の状態や過去のメンテナンス履歴等をいつでもどこでも把握できるデータベースを構築済みです。
メンテナンススタッフにはモバイル端末を配布し、社内技術⽂書、マニュアル、説明書へリモートアクセスさせることで作業の効率化を高めています。
今後は⾃社取扱い全製品の修理に関するデータベースシステムが核となり整備・拡充していく計画です。
当社の製品は特注品が多いという特徴がありますが、こうした製品に関する仕様、設置場所、点検結果、修理や部品交換といった全ての様々な情報を蓄積してビッグデータ化し、解析結果をもとに製品・部品の改良に取り組みます。
静的なデータベースシステムの整備と並⾏して製品⾃体のIoT化も進めています。⾃社独⾃のIoT プラットフォームを構築して、遠隔地にある製品の状態をモニタリングし、現場に赴くこと無くリモートにて迅速かつ的確な障害対応を可能とすると共に、前述のデータベースシステム上のビッグデータと連携させた予防・予知保全へ繋げていきます。(図「中⻄製作所IoT-System ビジョン」参照)

(6) デジタル技術を用いた社員のスキルアップやデジタルリテラシーの底上げ
当社は業界内では先陣を切って情報武装、システム化を推進して参りました。
部門や個人の担当業務にあわせて自由にカリキュラムを選択できるカフェテリア方式のeラーニングシステムを導入し、通勤時間や移動時間に社員が自発的にスキルアップできる環境を実現済みです。
各自の保有するスキルの棚卸と標準化を進めたスキルマップの作成に着手しました。デジタル技術を用いてオンラインで管理されるスキルマップでは、上司が年次ごとの達成レベルをアドバイスするだけでなく、社員自らが不足しているスキルを確認してeラーニング等で強化を行えるので、社員の育成計画の幅が広がり育成に要する期間が短縮されると期待しています。
当社は社内推奨資格にIT関連資格を追加しております。受験費用や教材の購入費を会社が負担するとともに、一部の資格に手当を設けるなどして、資格取得を推進しております。2025年以降、eラーニングの受講必須項目としてIT関連を追加する予定です。
また、当社は2024年より外部講師によるDX研修を開始しております。IT関連の基礎知識から最新のIT技術など、幅広い観点でITリテラシー向上に寄与します。
当社は学校への給食提供を支えるという事業の特性上から、全国の都道府県に拠点を設けて社員を配置しております。この結果複数の拠点に営業や事務、技術(メンテナンス)といった同じ業務を担当する社員が点在する半面、同じ拠点内には同一業務の担当社員が居ないという状況も発生しがちです。
こうしたコミュニケーション上の課題をクリアするために、職種別・目的別のチャットの活用を行い、同じ課題や悩みを持つ社員同士が全国で連絡を取り相談できる場を設けて支え合う仕組みを今後も積極的に活用していきます。

3. 当社におけるDXの推進体制
前述した当社におけるDX戦略上の各方策は、当社における年次の部門毎の計画内に、目的ではなく手段の一つとして組み込まれています。
当社経営企画室では、こうした部門計画内のDX関連の方策を把握し、その計画、実行、効果のモニタリングを行ってきました。期待された効果を発揮できていないDX関連の方策については、2023年4月に設立したDX推進室が経営企画室が介入して計画の見直しや実務の肩代わりを行い、達成までをサポートしています。
2023年2月の取締役会にて、代表取締役社長をDX戦略の統括責任者、経営企画室長をDX推進責任者として正式に任命し、当社におけるDX戦略の推進をより具体的かつ明確に行うことが決定されました。
DX推進室が部門計画を立案し、DX推進責任者は部門計画内のDX関連の方策を取り纏め、DX統括責任者を通じて毎年1回取締役会に対してその達成状況と成果を指標と共に報告します。当文書「当社におけるDX戦略について」もその際に見直しを行います。

4. DX推進戦略の達成状況に係る指標
当社においてDX戦略上の各方策は手段ですので、その戦略実施により生じる効果は最終的には企業収益に現れるものだと考えております。
しかしながら、各方策の遂行にあたり、進捗状況を確認するためにテーマごとにいくつかの指標を用いてモニタリングを行います。
(1) デジタル技術による生産性の向上
   当社では近年、様々なデジタル技術を駆使して現場の業務効率化や生産性向上を目
指しています。
   したがって、このDX戦略推進の達成については、業務削減時間を指標とします。
(2) デジタル技術を用いたリアルタイム経営の推進
 デジタル技術を用いたリアルタイム経営により最終的に得られる効果は、経営環境の変化やリスク等の早期把握による適時・的確な経営判断による対応と結果予測の精緻化であると考えています。
 したがってこのテーマにおいては、業績に関する予想数値と結果数値のズレ度合いを指標としてこれをモニタリングします。
(3) デジタル技術を用いた多様な働き方のサポート
 当社ではデジタル化の進展により、社員の働き方が多様化され選択肢が増えると考えています。こうした働き方が多様化された環境では、社員は出勤か在宅勤務かの2元論ではなく、各自の事情や状況にあわせて日々ベストミックスな働く場所や働き方の選択を行うと考えています。
 したがって、このテーマにおけるモニタリング指標は、多様な働き方のサポートが出来て
いるかの判断基準として、意識調査による従業員満足度を用いる予定です。
(4) デジタル技術による新しいマーケティング
当社ではデジタル技術を用いた新しいマーケティング手法を用いて実際に営業活動を行っております。したがって、このDX戦略推進の達成については、デジタルマーケティングにより得た新たなリード(引き合い)件数を指標とします。
(5) 製品・サービス自体のデジタル化の推進
 現在当社における製品のデジタル化に取り組んでおり、特にIoT化に力点を置いておりますので、当社製品のIoT化対応製品数が重要な指標となります。
(6) デジタル技術を用いた社員のスキルアップとデジタルリテラシーの底上げ
当社におけるDX戦略の推進は社会環境の変化もあってトップダウンで急速に進行しています。この結果、最近は急速な業務のデジタル化についてこられない社員も散見されるようになりました。
そういった社員も含め社内全体のITリテラシー向上の為、IT関連資格の取得支援や、自らが学習できる環境を構築しております。
したがって、このテーマにおけるモニタリング指標は社内におけるIT関連資格の取得数とします。

5. 当社におけるサイバーセキュリティに関する対策について
情報セキュリティポリシーおよび情報管理規程に基づく情報セキュリティ対策を継続実施。サイバー攻撃による事業停止やウイルス感染による情報漏洩を経営上のリスクとして認識し、対応状況を常時監視するとともにリスクの分析・評価を定期的に行っています。
■主なセキュリティ対策
◇技術的対策
 ・不正アクセスやウイルスを検知・防御する仕組みの導入
 ・外部セキュリティベンダーによるネットワーク・セキュリティ監視
 ・PCへのウイルス対策ソフト・PC管理ソフトの導入
 ・取締役会向けにペーパーレス会議システムを導入
・なりすましメール対策「DMARC」対応
◇組織的・人的対策
・セキュリティ教育eラーニングの定期実施
 ・従業員を対象にした標的型メール訓練の実施
 ・毎月1回、セキュリティに関するメールマガジンを作成し全社員へ配布

以上



👤 発行者について

株式会社中西製作所

前へ | 次へ
🗾 東京都