2024/07/03 22:02
医薬品/化粧品
岡山大学と京都大学、近畿大学、富山大学の共同研究成果プレスリリースです
<発表のポイント>
・岡山大学中性子医療研究センターは、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の研究する全学センターです。
・予後不良の膵がんに対し、甘い砂糖にホウ素を付けた薬に効果があることを証明しました。
・がんには色々な好みがあり、遺伝子を調べてから好みに合わせたホウ素薬剤を作る手法が大事であることを示しました。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)中性子医療研究センターの道上宏之副センター長・准教授、岡山大学病院低侵襲治療センターの寺石文則講師(消化管外科)、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・消化器外科学の藤本卓也医員(博士課程大学院生)は、京都大学複合原子力科学研究所の鈴木実教授、近藤夏子助教、近畿大学理工学部応用化学科の北松瑞生准教授、富山大学学術研究部都市デザイン学系の高口豊教授との共同研究で、難治性の膵がんを狙い撃ちするホウ素の薬剤を開発しました。
この研究成果はElsevier出版の生物物理学雑誌「Biomaterials」に2024年5月9日 にオンライン掲載されました。
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)と呼ばれるがん治療法は、がんに集まりやすいホウ素薬剤を投与して、がんに薬が集まったタイミングで、がんの部位に中性子の照射を行い、ホウ素と中性子の反応でがんをやっつける治療法です。治療成功の鍵は、“がん”にたくさん食べてもらえるようにホウ素に味付けをすることです。
しかし、がんの好みはさまざまで、全てのがんに食べてもらえる味付けをすることは難しいです。そこで今回、がんの好みを知るために、がんの遺伝子を詳しく調査して、難治性の膵がんが、甘い糖を付けたホウ素薬剤を好んで食べることを発見しました。
BNCTはアメリカ生まれ、日本育ちのがん治療法ですが、これらの研究結果を積み重ねることにより、膵がんで苦しむ多くの人を救うホウ素薬剤の可能性を示しただけでなく、がんの好みを調べて、ホウ素薬剤を創るという新たな薬を作る手順を示しました。
なお本件は、2024年6月25日 に岡山大学で開催された岡山大学2024年6月 定例記者会見において公開されました。
◆道上宏之副センター長・准教授からのひとこと
岡山大学病院の膵がん治療の専門家にしつこいぐらい繰り返し質問に行って、臨床の現場で何が問題であるか、困っている点を教えてもらいました。実験のために何度も岡山から関西空港の近くにある京都大学複合原子力科学研究所の原子炉に行き、泊まり込みの実験を行いました。自分たちが信じる結果を世界中の人に示すことができて、嬉しいです!
◆論文情報
論文名:BNCT Pancreatic Cancer Treatment Strategy with glucose-conjugated boron drug
(グルコース結合ホウ素薬を用いたBNCTによる膵がん治療戦略)
掲載紙:Biomaterials(バイオマテリアルズ)
著者:Takuya Fujimoto, Fuminori Teraishi, Noriyuki Kanehira, Tomoyuki Tajima, Yoshinori Sakurai, Natsuko Kondo, Masahiro Yamagami, Atsushi Kuwada, Akira Morihara, Mizuki Kitamatsu, Atsushi Fujimura, Minoru Suzuki, Yutaka Takaguchi, Kunitoshi Shigeyasu, Toshiyoshi Fujiwara, Hiroyuki Michiue
DOI:10.1016/j.biomaterials.2024.122605
URL:https://pubmed-ncbi-nlm-nih-gov.translate.goog/38754291/
◆研究資金
本研究は、下記の支援を受けて実施しました。
・独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金(18K07324, JP21K09176)道上宏之
・独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金(JP19K09122, JP22K08803)寺石文則
・独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金(JP22K07639)金平典之
・独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金(JP23K04778)田嶋智之
・武田科学振興財団研究奨励金(平成28年度)(2016049889)道上宏之
◆詳しい研究内容について
難治性の“がん”は甘いものがお好き!~膵がんへホウ素を使った新たな治療法開発!~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20240625-5.pdf
◆参 考
・岡山大学中性子医療研究センター(NTRC)
https://www.ntrc.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学病院
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
◆参考情報
・【岡山大学】国際原子力機関(IAEA)のBNCTトレーニングワークショップを岡山大学で開催
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001536.000072793.html
・【岡山大学】国際原子力機関(IAEA)の第66回総会でサイドイベント「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の進捗」を開催しました
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000946.000072793.html
・【岡山大学】岡山大学が国際原子力機関(IAEA)協働センターに指定
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000922.000072793.html
・国際原子力機関(IAEA)総会のサイドイベントでホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の現状を報告
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6103.html
・国際原子力機関 IAEAと新しいがん治療法に関する協定を締結
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6222.html
・国際原子力機関IAEAと協定調印のWeb会議を挙行 最新がん放射線治療法BNCTに関する協定を発展継続
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id9471.html
・ワークショップ「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の研究・教育」を開催
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000849.000072793.html
・“ホウ素”と“ペプチド”でがんをやっつける!がん治療法・BNCTに利用可能なホウ素薬剤の高性能な新薬を開発
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id796.html
・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の治療効果向上と適応拡大を可能にするホウ素製剤開発の新たなる指針をシミュレーション解析で検証
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001421.000072793.html
◆本件お問い合わせ先
<研究に関すること>
岡山大学中性子医療研究センター 副センター長・准教授 道上宏之
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
TEL:
FAX:
E-mail:hmichiue◎md.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.ntrc.okayama-u.ac.jp/
<広報に関すること>
岡山大学 総務・企画部広報課
TEL:
FAX:
京都大学 渉外・産官学連携部広報課国際広報室
TEL:
FAX:
近畿大学 経営戦略本部広報室
TEL:
FAX:
富山大学 総務課広報・基金室
TEL:
FAX:
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html
<発表のポイント>
・岡山大学中性子医療研究センターは、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の研究する全学センターです。
・予後不良の膵がんに対し、甘い砂糖にホウ素を付けた薬に効果があることを証明しました。
・がんには色々な好みがあり、遺伝子を調べてから好みに合わせたホウ素薬剤を作る手法が大事であることを示しました。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)中性子医療研究センターの道上宏之副センター長・准教授、岡山大学病院低侵襲治療センターの寺石文則講師(消化管外科)、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・消化器外科学の藤本卓也医員(博士課程大学院生)は、京都大学複合原子力科学研究所の鈴木実教授、近藤夏子助教、近畿大学理工学部応用化学科の北松瑞生准教授、富山大学学術研究部都市デザイン学系の高口豊教授との共同研究で、難治性の膵がんを狙い撃ちするホウ素の薬剤を開発しました。
この研究成果はElsevier出版の生物物理学雑誌「Biomaterials」に2024年5月9日 にオンライン掲載されました。
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)と呼ばれるがん治療法は、がんに集まりやすいホウ素薬剤を投与して、がんに薬が集まったタイミングで、がんの部位に中性子の照射を行い、ホウ素と中性子の反応でがんをやっつける治療法です。治療成功の鍵は、“がん”にたくさん食べてもらえるようにホウ素に味付けをすることです。
しかし、がんの好みはさまざまで、全てのがんに食べてもらえる味付けをすることは難しいです。そこで今回、がんの好みを知るために、がんの遺伝子を詳しく調査して、難治性の膵がんが、甘い糖を付けたホウ素薬剤を好んで食べることを発見しました。
BNCTはアメリカ生まれ、日本育ちのがん治療法ですが、これらの研究結果を積み重ねることにより、膵がんで苦しむ多くの人を救うホウ素薬剤の可能性を示しただけでなく、がんの好みを調べて、ホウ素薬剤を創るという新たな薬を作る手順を示しました。
なお本件は、2024年6月25日 に岡山大学で開催された岡山大学2024年6月 定例記者会見において公開されました。
◆道上宏之副センター長・准教授からのひとこと
岡山大学病院の膵がん治療の専門家にしつこいぐらい繰り返し質問に行って、臨床の現場で何が問題であるか、困っている点を教えてもらいました。実験のために何度も岡山から関西空港の近くにある京都大学複合原子力科学研究所の原子炉に行き、泊まり込みの実験を行いました。自分たちが信じる結果を世界中の人に示すことができて、嬉しいです!
◆論文情報
論文名:BNCT Pancreatic Cancer Treatment Strategy with glucose-conjugated boron drug
(グルコース結合ホウ素薬を用いたBNCTによる膵がん治療戦略)
掲載紙:Biomaterials(バイオマテリアルズ)
著者:Takuya Fujimoto, Fuminori Teraishi, Noriyuki Kanehira, Tomoyuki Tajima, Yoshinori Sakurai, Natsuko Kondo, Masahiro Yamagami, Atsushi Kuwada, Akira Morihara, Mizuki Kitamatsu, Atsushi Fujimura, Minoru Suzuki, Yutaka Takaguchi, Kunitoshi Shigeyasu, Toshiyoshi Fujiwara, Hiroyuki Michiue
DOI:10.1016/j.biomaterials.2024.122605
URL:https://pubmed-ncbi-nlm-nih-gov.translate.goog/38754291/
◆研究資金
本研究は、下記の支援を受けて実施しました。
・独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金(18K07324, JP21K09176)道上宏之
・独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金(JP19K09122, JP22K08803)寺石文則
・独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金(JP22K07639)金平典之
・独立行政法人日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金(JP23K04778)田嶋智之
・武田科学振興財団研究奨励金(平成28年度)(2016049889)道上宏之
◆詳しい研究内容について
難治性の“がん”は甘いものがお好き!~膵がんへホウ素を使った新たな治療法開発!~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20240625-5.pdf
◆参 考
・岡山大学中性子医療研究センター(NTRC)
https://www.ntrc.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学病院
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
◆参考情報
・【岡山大学】国際原子力機関(IAEA)のBNCTトレーニングワークショップを岡山大学で開催
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001536.000072793.html
・【岡山大学】国際原子力機関(IAEA)の第66回総会でサイドイベント「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の進捗」を開催しました
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000946.000072793.html
・【岡山大学】岡山大学が国際原子力機関(IAEA)協働センターに指定
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000922.000072793.html
・国際原子力機関(IAEA)総会のサイドイベントでホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の現状を報告
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6103.html
・国際原子力機関 IAEAと新しいがん治療法に関する協定を締結
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id6222.html
・国際原子力機関IAEAと協定調印のWeb会議を挙行 最新がん放射線治療法BNCTに関する協定を発展継続
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id9471.html
・ワークショップ「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の研究・教育」を開催
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000849.000072793.html
・“ホウ素”と“ペプチド”でがんをやっつける!がん治療法・BNCTに利用可能なホウ素薬剤の高性能な新薬を開発
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id796.html
・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の治療効果向上と適応拡大を可能にするホウ素製剤開発の新たなる指針をシミュレーション解析で検証
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001421.000072793.html
◆本件お問い合わせ先
<研究に関すること>
岡山大学中性子医療研究センター 副センター長・准教授 道上宏之
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
TEL:
FAX:
E-mail:hmichiue◎md.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.ntrc.okayama-u.ac.jp/
<広報に関すること>
岡山大学 総務・企画部広報課
TEL:
FAX:
京都大学 渉外・産官学連携部広報課国際広報室
TEL:
FAX:
近畿大学 経営戦略本部広報室
TEL:
FAX:
富山大学 総務課広報・基金室
TEL:
FAX:
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html