2023/12/17 22:48
教育・研究エンジニア
<発表のポイント>
・本州中部~九州の内湾奥部河口域から、カワザンショウ科(軟体動物門:腹足綱≒巻貝類)の新属新種カハタレカワザンショウ Xenassiminea nana Fukuda, 2023 を記載しました。
・本種はカワザンショウ科の既知種の大半とは著しく異なる蝸牛形の外見を呈しますが、内部形態からこの科に属しています。体サイズ(殻長0.8 mm、殻径1.1 mm)は同科中で世界最小です。
・内湾奥の干潟上部で砂泥底へ深く埋もれた石の下に棲む地下生活者で、近年は棲息環境の急速な消失により、絶滅の危機に瀕しています。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)の学術研究院環境生命自然科学学域(農)の福田宏准教授は、貝類の新属新種カハタレカワザンショウ Xenassiminea nana Fukuda, 2023を記載しました。
本種は日本本土温帯域の固有種で、砂泥干潟に深く埋もれた転石下に特異的に見られ、昨今の内湾環境の悪化によって減少傾向にあるため、環境省レッドリストで絶滅危惧II類(VU)とされています。
この研究成果は2023年11月23日 、日豪共同刊行の軟体動物学雑誌「Molluscan Research」にオンラインで掲載されました。
◆福田宏准教授からひとこと
今回の新種は、発見から正式記載成就まで31年も要したことを恥じ入ります。特にこの種は、私の研究者としての方向付けに著しく影響した点で大恩ある存在ながら、今は年々環境が悪化して絶滅の危機に陥りつつあります。お世話になった相手が窮地にあるのに手を差し伸べないのは間違っている、との焦燥と自己嫌悪をこの30年間ずっと抱えたまま、このたびようやく「負債」を一つだけ解消できてかすかに安堵しています。恩返しせねばならない貝たちはまだ他にたくさんいますが、今後少しずつ解決していきます。
◆論文情報
論文名:A new genus and species of the Assimineidae (Caenogastropoda: Truncatelloidea) from temperate mainland Japan
掲載誌:Molluscan Research
著 者:Hiroshi Fukuda
D O I:10.1080/13235818.2023.2278070
U R L:https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13235818.2023.2278070
◆詳しいプレスリリースについて
湾奥の地下に潜まる彼(か)は誰(たれ)ぞ—絶滅危惧貝類の新属新種、カハタレカワザンショウ—
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20231206-2.pdf
◆参 考
・岡山大学農学部
http://www.okayama-u.ac.jp/user/agr/
・岡山大学大学院環境生命自然科学研究科
https://www.elst.okayama-u.ac.jp/
◆参考情報
・【岡山大学】渦中の「ハチの干潟」(広島県竹原市)からサクラガイ属二枚貝の新種を発見!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000723.000072793.html
・驚異の新種! アキラマイマイ~「晴れの国おかやま」を象徴するかたつむり~
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id263.html
・驚愕の新種! その名は「サザエ」 〜 250年にわたる壮大な伝言ゲーム 〜
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id468.html
・またしても、新種と知らずに食べていた!-食用海産巻貝類「シッタカ」の一種、クサイロクマノコガイ-
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id799.html
・「忘れ貝」可憐な新種とそのゆくえ ~万葉集・土佐日記にいう貝たちの「もののあはれ」と「鎖国の名残」~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000196.000072793.html
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 環境生命自然科学学域(農)准教授 福田 宏
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス
TEL:
FAX:
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1168.html
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
・本州中部~九州の内湾奥部河口域から、カワザンショウ科(軟体動物門:腹足綱≒巻貝類)の新属新種カハタレカワザンショウ Xenassiminea nana Fukuda, 2023 を記載しました。
・本種はカワザンショウ科の既知種の大半とは著しく異なる蝸牛形の外見を呈しますが、内部形態からこの科に属しています。体サイズ(殻長0.8 mm、殻径1.1 mm)は同科中で世界最小です。
・内湾奥の干潟上部で砂泥底へ深く埋もれた石の下に棲む地下生活者で、近年は棲息環境の急速な消失により、絶滅の危機に瀕しています。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)の学術研究院環境生命自然科学学域(農)の福田宏准教授は、貝類の新属新種カハタレカワザンショウ Xenassiminea nana Fukuda, 2023を記載しました。
本種は日本本土温帯域の固有種で、砂泥干潟に深く埋もれた転石下に特異的に見られ、昨今の内湾環境の悪化によって減少傾向にあるため、環境省レッドリストで絶滅危惧II類(VU)とされています。
この研究成果は2023年11月23日 、日豪共同刊行の軟体動物学雑誌「Molluscan Research」にオンラインで掲載されました。
◆福田宏准教授からひとこと
今回の新種は、発見から正式記載成就まで31年も要したことを恥じ入ります。特にこの種は、私の研究者としての方向付けに著しく影響した点で大恩ある存在ながら、今は年々環境が悪化して絶滅の危機に陥りつつあります。お世話になった相手が窮地にあるのに手を差し伸べないのは間違っている、との焦燥と自己嫌悪をこの30年間ずっと抱えたまま、このたびようやく「負債」を一つだけ解消できてかすかに安堵しています。恩返しせねばならない貝たちはまだ他にたくさんいますが、今後少しずつ解決していきます。
◆論文情報
論文名:A new genus and species of the Assimineidae (Caenogastropoda: Truncatelloidea) from temperate mainland Japan
掲載誌:Molluscan Research
著 者:Hiroshi Fukuda
D O I:10.1080/13235818.2023.2278070
U R L:https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13235818.2023.2278070
◆詳しいプレスリリースについて
湾奥の地下に潜まる彼(か)は誰(たれ)ぞ—絶滅危惧貝類の新属新種、カハタレカワザンショウ—
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20231206-2.pdf
◆参 考
・岡山大学農学部
http://www.okayama-u.ac.jp/user/agr/
・岡山大学大学院環境生命自然科学研究科
https://www.elst.okayama-u.ac.jp/
◆参考情報
・【岡山大学】渦中の「ハチの干潟」(広島県竹原市)からサクラガイ属二枚貝の新種を発見!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000723.000072793.html
・驚異の新種! アキラマイマイ~「晴れの国おかやま」を象徴するかたつむり~
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id263.html
・驚愕の新種! その名は「サザエ」 〜 250年にわたる壮大な伝言ゲーム 〜
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id468.html
・またしても、新種と知らずに食べていた!-食用海産巻貝類「シッタカ」の一種、クサイロクマノコガイ-
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id799.html
・「忘れ貝」可憐な新種とそのゆくえ ~万葉集・土佐日記にいう貝たちの「もののあはれ」と「鎖国の名残」~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000196.000072793.html
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 環境生命自然科学学域(農)准教授 福田 宏
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス
TEL:
FAX:
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1168.html
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください