2023/12/05 15:38
教育・研究エンジニア
<発表のポイント>
・岡山大学で発案され、岡山県産婦人科医会・岡山県・岡山大学が連携して運営している「妊娠中からの虐待防止システム」(岡山モデル)の取り組みが、こども家庭庁「内閣府特命担当大臣表彰」最優秀賞を受賞しました。
・今回の受賞は、全国的には増加の一途である児童虐待相談対応件数が、岡山モデルの開始後には抑制されてきていることが大きな受賞理由であり、独創的な取り組みを多機関、多職種が連携して実施していること、人材の育成を行い全国に発信していることなども選考の理由として挙げられました。
・11月8日 には、全国に向けてオンラインで受賞記念講演行われ、11月9日 には、栃木県宇都宮市で開催された「健やか親子21全国大会」で授賞式が行われました。
◆概 要
「健やか親子21」は、「すべてのこどもが健やかに育つ社会」の実現を目指し、 関係するすべての人々、関連機関・団体が一体となって取り組む国民運動です。新設されたこども家庭庁が、厚生労働省に代わって担当することとなり、今回、第1回の「内閣府特命担当大臣表彰」が行われました。
妊産婦や子ども、子育て家庭のための先進的な取り組みが全国から寄せられ、その中から「『妊娠中からの気になる母子支援』連絡システム(岡山モデル)による虐待防止」が、健やか親子表彰最優秀賞に選ばれました。
産科を訪れる未婚、未成年、望まない妊娠などの「社会的ハイリスク妊産婦」に対して、妊娠中から保健師がリスクを評価し支援を始めることで、産後うつ、自殺、心中、虐待などの深刻な事態を未然に防ぐことができる可能性があります。しかし、医学的な異常と異なり、産科スタッフに、妊産婦の社会的なリスク因子を見つけようとの視点はなく、保健師への連絡手段も限られていました。
このような中で、2011年、岡山大学が「妊娠中からの気になる母子支援」連絡システムを発案し、岡山県産婦人科医会、岡山県、岡山大学が連携・協力して運用を開始しました。産科スタッフから保健師への連絡のハードルを下げるため、「妊娠中からの気になる母子支援」連絡票により、情報を産婦人科医会に集め、産婦人科医会が各妊婦の居住地区の保健所等に連絡し、市町村を介して保健師が家庭訪問や産科での面接などを行います。保健師のアセスメントにより、産科スタッフと保健師とで継続的な支援、精神科医への診療依頼、児童相談所等への支援依頼などを行うことで、多機関、多職種が連携して切れ目ない支援を行います。
また、「妊娠中からの気になる母子支援」連絡票のデータは、岡山大学大学院保健学研究科にて解析し、産科医療機関にフィードバックするとともに、岡山県などの施策のためのデータとして提供、さらに、多職種連携のための研修会、パンフレット作成などに活用しています。
全国的には、児童虐待相談・対応件数は増加の一途ですが、「妊娠中からの気になる母子支援」システム(岡山モデル)の運用開始により、岡山県ではその件数が抑制されてきています。このことが、今回の「内閣府特命担当大臣表彰」健やか親子表彰最優秀賞の大きな受賞理由でした。
また、このような独創的な取り組みを多機関、多職種が連携して実施していること、人材の育成を行い全国に発信していることなども選考の理由として挙げられました。11月8日 には、全国に向けてオンラインで受賞記念講演が行われ、11月9日 には、栃木県宇都宮市で開催された「健やか親子21全国大会」で授賞式が行われました。
本情報は、2023年11月29日 に開催された「2023年11月 岡山大学定例記者会見」で公開されました。
〇関連サイト:子ども家庭庁「健やか親子21」健やか親子表彰 受賞者の声
https://sukoyaka21.cfa.go.jp/sukoyaka21-award-2023/?minister_award_id=1
◆研究者からひとこと
健やか親子21「内閣府特命担当大臣表彰」で岡山県産婦人科医会の「岡山モデルによる虐待防止」が最優秀賞受賞。第23回健やか親子21全国大会で加藤鮎子大臣からの盾型トロフィーをいただきました。
中塚研究室では、助産師のリカレント教育プログラムである「妊娠中からの母子支援」即戦力育成プログラムを開講するとともに、多くの研究者や学生がリプロダクションやジェンダーについて研究しています。
https://www.okayama-u.ac.jp/user/mikiya/
◆詳しいプレスリリースについて
こども家庭庁「内閣府特命担当大臣表彰」最優秀賞を受賞岡山大発の社会実装アイディア「『妊娠中からの気になる母子支援』連絡システム(岡山モデル)による虐待防止」
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20231129-5-1.pdf
参考資料1
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20231129-5-2.pdf
参考資料2
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20231129-5-3.pdf
参考資料3
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20231129-5-4.pdf
参考資料4
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20231129-5-5.pdf
◆参 考
・岡山大学大学院保健学研究科 中塚研究室
https://www.okayama-u.ac.jp/user/mikiya/
・岡山大学医学部保健学科・大学院保健学研究科
https://www.fhs.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学病院
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
・岡山大学病院リプロダクションセンター
http://www.okayama-u.ac.jp/user/repro/
・おかやま妊娠・出産サポートセンター
http://www.okayama-u.ac.jp/user/ninshin/
◆本件お問い合わせ先
岡山大学大学院保健学研究科 中塚研究室
岡山大学学術研究院保健学域 教授 中塚幹也
岡山県産婦人科医会 理事
おかやま妊娠・出産サポートセンター センター長
岡山大学病院リプロダクションセンター センター長
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
TEL&FAX:
https://www.okayama-u.ac.jp/user/mikiya/
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
・岡山大学で発案され、岡山県産婦人科医会・岡山県・岡山大学が連携して運営している「妊娠中からの虐待防止システム」(岡山モデル)の取り組みが、こども家庭庁「内閣府特命担当大臣表彰」最優秀賞を受賞しました。
・今回の受賞は、全国的には増加の一途である児童虐待相談対応件数が、岡山モデルの開始後には抑制されてきていることが大きな受賞理由であり、独創的な取り組みを多機関、多職種が連携して実施していること、人材の育成を行い全国に発信していることなども選考の理由として挙げられました。
・11月8日 には、全国に向けてオンラインで受賞記念講演行われ、11月9日 には、栃木県宇都宮市で開催された「健やか親子21全国大会」で授賞式が行われました。
◆概 要
「健やか親子21」は、「すべてのこどもが健やかに育つ社会」の実現を目指し、 関係するすべての人々、関連機関・団体が一体となって取り組む国民運動です。新設されたこども家庭庁が、厚生労働省に代わって担当することとなり、今回、第1回の「内閣府特命担当大臣表彰」が行われました。
妊産婦や子ども、子育て家庭のための先進的な取り組みが全国から寄せられ、その中から「『妊娠中からの気になる母子支援』連絡システム(岡山モデル)による虐待防止」が、健やか親子表彰最優秀賞に選ばれました。
産科を訪れる未婚、未成年、望まない妊娠などの「社会的ハイリスク妊産婦」に対して、妊娠中から保健師がリスクを評価し支援を始めることで、産後うつ、自殺、心中、虐待などの深刻な事態を未然に防ぐことができる可能性があります。しかし、医学的な異常と異なり、産科スタッフに、妊産婦の社会的なリスク因子を見つけようとの視点はなく、保健師への連絡手段も限られていました。
このような中で、2011年、岡山大学が「妊娠中からの気になる母子支援」連絡システムを発案し、岡山県産婦人科医会、岡山県、岡山大学が連携・協力して運用を開始しました。産科スタッフから保健師への連絡のハードルを下げるため、「妊娠中からの気になる母子支援」連絡票により、情報を産婦人科医会に集め、産婦人科医会が各妊婦の居住地区の保健所等に連絡し、市町村を介して保健師が家庭訪問や産科での面接などを行います。保健師のアセスメントにより、産科スタッフと保健師とで継続的な支援、精神科医への診療依頼、児童相談所等への支援依頼などを行うことで、多機関、多職種が連携して切れ目ない支援を行います。
また、「妊娠中からの気になる母子支援」連絡票のデータは、岡山大学大学院保健学研究科にて解析し、産科医療機関にフィードバックするとともに、岡山県などの施策のためのデータとして提供、さらに、多職種連携のための研修会、パンフレット作成などに活用しています。
全国的には、児童虐待相談・対応件数は増加の一途ですが、「妊娠中からの気になる母子支援」システム(岡山モデル)の運用開始により、岡山県ではその件数が抑制されてきています。このことが、今回の「内閣府特命担当大臣表彰」健やか親子表彰最優秀賞の大きな受賞理由でした。
また、このような独創的な取り組みを多機関、多職種が連携して実施していること、人材の育成を行い全国に発信していることなども選考の理由として挙げられました。11月8日 には、全国に向けてオンラインで受賞記念講演が行われ、11月9日 には、栃木県宇都宮市で開催された「健やか親子21全国大会」で授賞式が行われました。
本情報は、2023年11月29日 に開催された「2023年11月 岡山大学定例記者会見」で公開されました。
〇関連サイト:子ども家庭庁「健やか親子21」健やか親子表彰 受賞者の声
https://sukoyaka21.cfa.go.jp/sukoyaka21-award-2023/?minister_award_id=1
◆研究者からひとこと
健やか親子21「内閣府特命担当大臣表彰」で岡山県産婦人科医会の「岡山モデルによる虐待防止」が最優秀賞受賞。第23回健やか親子21全国大会で加藤鮎子大臣からの盾型トロフィーをいただきました。
中塚研究室では、助産師のリカレント教育プログラムである「妊娠中からの母子支援」即戦力育成プログラムを開講するとともに、多くの研究者や学生がリプロダクションやジェンダーについて研究しています。
https://www.okayama-u.ac.jp/user/mikiya/
◆詳しいプレスリリースについて
こども家庭庁「内閣府特命担当大臣表彰」最優秀賞を受賞岡山大発の社会実装アイディア「『妊娠中からの気になる母子支援』連絡システム(岡山モデル)による虐待防止」
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20231129-5-1.pdf
参考資料1
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20231129-5-2.pdf
参考資料2
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20231129-5-3.pdf
参考資料3
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20231129-5-4.pdf
参考資料4
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20231129-5-5.pdf
◆参 考
・岡山大学大学院保健学研究科 中塚研究室
https://www.okayama-u.ac.jp/user/mikiya/
・岡山大学医学部保健学科・大学院保健学研究科
https://www.fhs.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学病院
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
・岡山大学病院リプロダクションセンター
http://www.okayama-u.ac.jp/user/repro/
・おかやま妊娠・出産サポートセンター
http://www.okayama-u.ac.jp/user/ninshin/
◆本件お問い合わせ先
岡山大学大学院保健学研究科 中塚研究室
岡山大学学術研究院保健学域 教授 中塚幹也
岡山県産婦人科医会 理事
おかやま妊娠・出産サポートセンター センター長
岡山大学病院リプロダクションセンター センター長
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
TEL&FAX:
https://www.okayama-u.ac.jp/user/mikiya/
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください