2023/07/11 16:49
医薬品/化粧品
<発表のポイント>
・岡山大学とハーバード大学医学大学院の共同研究で、「CRISPR/Cas9技術」を用い、悪性黒色腫の脳転移に対して腫瘍融解ウイルスと免疫治療薬を同時に運搬できる新規間葉系幹細胞治療法を開発しました。
・脳転移マウスモデルを用いて、ウイルス/免疫治療薬を搭載した間葉系幹細胞を髄腔内投与したところ、抗腫瘍免疫を誘導し、マウスの生命予後が有意に改善されました。
・さらに、ヒトの免疫細胞を有する脳転移ヒト化マウスの作製にも成功し、ヒト遺伝子改変間葉系幹細胞の抗腫瘍効果を示したことにより、臨床試験への道筋をつけることができました。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)の岡山大学病院低侵襲治療センターの黒田新士講師、消化管外科の金谷信彦医員らの研究グループは、ハーバード大学医学大学院ブリガム・アンド・ウィメンズ病院脳神経外科との共同研究において、悪性黒色腫の難治性脳転移マウスモデルに対して、遺伝子改変間葉系幹細胞を用いた新規腫瘍融解ウイルス免疫療法の開発に成功しました。
本研究成果は2023年5月31日 、米国の科学雑誌「Science Translational Medicine」(米国科学振興協会(AAAS)発行のScience姉妹紙)で公開されました。
間葉系幹細胞は、自己複製能のある幹細胞の一種で再生医療の分野ですでに臨床応用されており、幹細胞の腫瘍移行性という特徴が注目されています。腫瘍融解ウイルスは現在、国内臨床試験において局所投与による有効性が検証され、近年、悪性神経膠腫に対してヘルペスウイルス製剤が再生医療等製品として承認され、岡山大学病院でも食道がんに対する腫瘍融解アデノウイルス製剤「テロメライシン」の治験が進んでいます。
さらに腫瘍融解ウイルス療法は局所での強力な抗腫瘍効果に加えて、近年では全身の抗腫瘍免疫の活性剤としての有効性が注目されており、今後臨床の現場に普及する可能性の高い治療法と考えられています。脳転移などの根治困難な遠隔転移に対する有効性は示されていませんでしたが、今回、腫瘍融解ヘルペスウイルスと免疫活性薬を搭載した間葉系幹細胞の臨床開発を進めていくことで、現行の治療では根治困難な遠隔転移を有する進行がんへのウイルス免疫治療が可能となり、新薬開発につながることが期待されます。
◆金谷信彦医員からひとこと
岡山大学で培ったウイルス製剤と、ハーバード大学医学大学院で出会った細胞工学のアイデアを組み合わせて、現行の治療法では治らない脳転移の新規治療法を開発することが出来ました。将来の患者様の希望になるべく遺伝子治療研究を推し進めて参ります!ご興味ある方はいつでもご連絡下さい!
◆論文情報
タイトル:Gene-edited and -engineered stem cell platform drives immunotherapy for brain metastatic melanomas
著 者:Nobuhiko Kanaya, Yohei Kitamura, Maria Lopez Vazquez, Arnaldo Franco, Kok Siong Chen, Thijs A. van Schaik, Touraj Aligholipour Farzani, Paulo Borges, Toru Ichinose, Waleed Seddiq, Shinji Kuroda, Genevieve Boland, Nusrat Jahan, David Fisher, Hiroaki Wakimoto, Khalid Shah
発 表 誌:Science Translational Medicine
発 表 日:2023年05月31日
U R L:https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.ade8732
◆詳しい研究内容について
幹細胞と腫瘍融解ウイルス製剤を用いた新規遺伝子細胞治療開発に成功~悪性黒色腫脳転移に新たな希望の光~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20230628-6.pdf
◆参 考
・岡山大学病院
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
・岡山大学病院 低侵襲治療センター
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/index183.html
・岡山大学病院 消化管外科
http://www.ges-okayama-u.com/
◆本件お問い合わせ先
岡山大学病院 低侵襲治療センター 講師 黒田新士
岡山大学病院 消化管外科 医員 金谷信彦
岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医) 消化器外科学 教授 藤原俊義
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
TEL:
FAX:
http://www.ges-okayama-u.com/
<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
岡山大学病院 新医療研究開発センター
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/
<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
TEL:
E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):
岡山大学Image Movie (YouTube):
「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2023年7月 期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001510.000072793.html
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学である岡山大学にご期待ください
・岡山大学とハーバード大学医学大学院の共同研究で、「CRISPR/Cas9技術」を用い、悪性黒色腫の脳転移に対して腫瘍融解ウイルスと免疫治療薬を同時に運搬できる新規間葉系幹細胞治療法を開発しました。
・脳転移マウスモデルを用いて、ウイルス/免疫治療薬を搭載した間葉系幹細胞を髄腔内投与したところ、抗腫瘍免疫を誘導し、マウスの生命予後が有意に改善されました。
・さらに、ヒトの免疫細胞を有する脳転移ヒト化マウスの作製にも成功し、ヒト遺伝子改変間葉系幹細胞の抗腫瘍効果を示したことにより、臨床試験への道筋をつけることができました。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)の岡山大学病院低侵襲治療センターの黒田新士講師、消化管外科の金谷信彦医員らの研究グループは、ハーバード大学医学大学院ブリガム・アンド・ウィメンズ病院脳神経外科との共同研究において、悪性黒色腫の難治性脳転移マウスモデルに対して、遺伝子改変間葉系幹細胞を用いた新規腫瘍融解ウイルス免疫療法の開発に成功しました。
本研究成果は2023年5月31日 、米国の科学雑誌「Science Translational Medicine」(米国科学振興協会(AAAS)発行のScience姉妹紙)で公開されました。
間葉系幹細胞は、自己複製能のある幹細胞の一種で再生医療の分野ですでに臨床応用されており、幹細胞の腫瘍移行性という特徴が注目されています。腫瘍融解ウイルスは現在、国内臨床試験において局所投与による有効性が検証され、近年、悪性神経膠腫に対してヘルペスウイルス製剤が再生医療等製品として承認され、岡山大学病院でも食道がんに対する腫瘍融解アデノウイルス製剤「テロメライシン」の治験が進んでいます。
さらに腫瘍融解ウイルス療法は局所での強力な抗腫瘍効果に加えて、近年では全身の抗腫瘍免疫の活性剤としての有効性が注目されており、今後臨床の現場に普及する可能性の高い治療法と考えられています。脳転移などの根治困難な遠隔転移に対する有効性は示されていませんでしたが、今回、腫瘍融解ヘルペスウイルスと免疫活性薬を搭載した間葉系幹細胞の臨床開発を進めていくことで、現行の治療では根治困難な遠隔転移を有する進行がんへのウイルス免疫治療が可能となり、新薬開発につながることが期待されます。
◆金谷信彦医員からひとこと
岡山大学で培ったウイルス製剤と、ハーバード大学医学大学院で出会った細胞工学のアイデアを組み合わせて、現行の治療法では治らない脳転移の新規治療法を開発することが出来ました。将来の患者様の希望になるべく遺伝子治療研究を推し進めて参ります!ご興味ある方はいつでもご連絡下さい!
◆論文情報
タイトル:Gene-edited and -engineered stem cell platform drives immunotherapy for brain metastatic melanomas
著 者:Nobuhiko Kanaya, Yohei Kitamura, Maria Lopez Vazquez, Arnaldo Franco, Kok Siong Chen, Thijs A. van Schaik, Touraj Aligholipour Farzani, Paulo Borges, Toru Ichinose, Waleed Seddiq, Shinji Kuroda, Genevieve Boland, Nusrat Jahan, David Fisher, Hiroaki Wakimoto, Khalid Shah
発 表 誌:Science Translational Medicine
発 表 日:2023年05月31日
U R L:https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.ade8732
◆詳しい研究内容について
幹細胞と腫瘍融解ウイルス製剤を用いた新規遺伝子細胞治療開発に成功~悪性黒色腫脳転移に新たな希望の光~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20230628-6.pdf
◆参 考
・岡山大学病院
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
・岡山大学病院 低侵襲治療センター
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/index183.html
・岡山大学病院 消化管外科
http://www.ges-okayama-u.com/
◆本件お問い合わせ先
岡山大学病院 低侵襲治療センター 講師 黒田新士
岡山大学病院 消化管外科 医員 金谷信彦
岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医) 消化器外科学 教授 藤原俊義
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
TEL:
FAX:
http://www.ges-okayama-u.com/
<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
岡山大学病院 新医療研究開発センター
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/
<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
TEL:
E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):
岡山大学Image Movie (YouTube):
「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2023年7月 期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001510.000072793.html
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学である岡山大学にご期待ください