2023/04/07 23:50
医薬品/化粧品
岡山大学と自然科学研究機構、京都大学との共同研究成果プレスリリースです。
<発表のポイント>
・尿路結石形成の原因となるシュウ酸を分解する腸内細菌に存在し、菌内へのシュウ酸吸収を担うシュウ酸輸送体の立体構造を解明しました。
・シュウ酸輸送体は、腸内のシュウ酸に似た形の他の栄養素とシュウ酸を見分け、シュウ酸だけを効率よく菌内に運ぶ仕組みを持つことを明らかにしました。
・今後研究が進むことで、尿路結石症を軽減する治療法開発につながることが期待されます。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)学術研究院医歯薬学域(薬)の山下敦子教授、自然科学研究機構・分子科学研究所の岡崎圭一准教授、京都大学大学院医学研究科の島村達郎特定准教授、理化学研究所放射光科学研究センターの平井照久チームリーダー(研究当時)らの研究グループは、尿路結石形成に関わるシュウ酸分解菌が腸内からシュウ酸を吸収するときに利用するシュウ酸輸送体の立体構造を、SPring-8を用いて解明しました。
これらの研究成果は2023年4月3日 、英国の科学雑誌「Nature Communications」に掲載されました。
尿路結石症は、3大激痛の1つとも言われ、日々の食事でホウレンソウなどの食品から摂取したシュウ酸が、尿路でカルシウムなどと結晶化して結石を生じることで起こります。腸内細菌の1種であるシュウ酸分解菌は、腸内のシュウ酸を吸収・分解することで、この結石形成リスクを下げています。
研究グループは、シュウ酸を分解菌内へ吸収する役目を担うシュウ酸輸送体の立体構造を解明し、この分子が、シュウ酸に似た他の栄養素とシュウ酸を厳密に見分け、シュウ酸だけを結合しその構造を変化させることで、効率よく菌内に運ぶ仕組みを明らかにしました。
尿路結石症を防ぐ方法の1つとして、シュウ酸分解菌の治療応用の可能性が検討されています。本研究で得られた知見は、同菌に着目した治療法開発の基盤情報となることが期待できます。
◆山下敦子教授からのひとこと
たくさんの研究者と学生さんの協力により、私たちの腸内で起こっている反応の一端が少しずつ見えてきました。この研究はいま患者さんの痛みを和らげることはできませんが、将来痛みに苦しむ患者さんを減らせる一助となりますように。
◆論文情報
論 文 名:Structure and mechanism of oxalate transporter OxlT in an oxalate-degrading bacterium in the gut microbiota
掲 載 紙:Nature Communications
著 者:Titouan Jaunet-Lahary, Tatsuro Shimamura, Masahiro Hayashi, Norimichi Nomura, Kouta Hirasawa, Tetsuya Shimizu, Masao Yamashita, Naotaka Tsutsumi, Yuta Suehiro, Keiichi Kojima, Yuki Sudo, Takashi Tamura, Hiroko Iwanari, Takao Hamakubo, So Iwata, Kei-ichi Okazaki, Teruhisa Hirai, Atsuko Yamashita
D O I:10.1038/s43-5
U R L:https://www.nature.com/articles/s41467-023-36883-5
◆研究資金
本研究は、日本学術振興会・科学研究費補助金(JP20H03195, JP18H02415, JP26440086)、公益財団法人小柳財団、公益財団法人武田科学振興財団、国立研究開発法人日本医療研究開発機構・創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム事業(JP20am0101079)の支援を受けて実施しました。
◆詳しい研究内容について
尿路結石形成を防ぐ腸内細菌で働く鍵分子・シュウ酸輸送体の立体構造解明
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20230403-1.pdf
◆参 考
・岡山大学薬学部・大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)
https://www.pharm.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)構造生物薬学研究室
https://www.pharm.okayama-u.ac.jp/research/list/6_1/
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 医歯薬域(薬)教授 山下敦子
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス
TEL:
FAX:
https://www.pharm.okayama-u.ac.jp/research/list/6_1/
自然科学研究機構 分子科学研究所 准教授 岡崎圭一
TEL:
京都大学大学院医学研究科 特定准教授 島村達郎
TEL:
理化学研究所放射光科学研究センター チームリーダー(当時) 平井照久
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):
岡山大学Image Movie (YouTube):
「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2023年4月 期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001324.000072793.html
岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています
<発表のポイント>
・尿路結石形成の原因となるシュウ酸を分解する腸内細菌に存在し、菌内へのシュウ酸吸収を担うシュウ酸輸送体の立体構造を解明しました。
・シュウ酸輸送体は、腸内のシュウ酸に似た形の他の栄養素とシュウ酸を見分け、シュウ酸だけを効率よく菌内に運ぶ仕組みを持つことを明らかにしました。
・今後研究が進むことで、尿路結石症を軽減する治療法開発につながることが期待されます。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)学術研究院医歯薬学域(薬)の山下敦子教授、自然科学研究機構・分子科学研究所の岡崎圭一准教授、京都大学大学院医学研究科の島村達郎特定准教授、理化学研究所放射光科学研究センターの平井照久チームリーダー(研究当時)らの研究グループは、尿路結石形成に関わるシュウ酸分解菌が腸内からシュウ酸を吸収するときに利用するシュウ酸輸送体の立体構造を、SPring-8を用いて解明しました。
これらの研究成果は2023年4月3日 、英国の科学雑誌「Nature Communications」に掲載されました。
尿路結石症は、3大激痛の1つとも言われ、日々の食事でホウレンソウなどの食品から摂取したシュウ酸が、尿路でカルシウムなどと結晶化して結石を生じることで起こります。腸内細菌の1種であるシュウ酸分解菌は、腸内のシュウ酸を吸収・分解することで、この結石形成リスクを下げています。
研究グループは、シュウ酸を分解菌内へ吸収する役目を担うシュウ酸輸送体の立体構造を解明し、この分子が、シュウ酸に似た他の栄養素とシュウ酸を厳密に見分け、シュウ酸だけを結合しその構造を変化させることで、効率よく菌内に運ぶ仕組みを明らかにしました。
尿路結石症を防ぐ方法の1つとして、シュウ酸分解菌の治療応用の可能性が検討されています。本研究で得られた知見は、同菌に着目した治療法開発の基盤情報となることが期待できます。
◆山下敦子教授からのひとこと
たくさんの研究者と学生さんの協力により、私たちの腸内で起こっている反応の一端が少しずつ見えてきました。この研究はいま患者さんの痛みを和らげることはできませんが、将来痛みに苦しむ患者さんを減らせる一助となりますように。
◆論文情報
論 文 名:Structure and mechanism of oxalate transporter OxlT in an oxalate-degrading bacterium in the gut microbiota
掲 載 紙:Nature Communications
著 者:Titouan Jaunet-Lahary, Tatsuro Shimamura, Masahiro Hayashi, Norimichi Nomura, Kouta Hirasawa, Tetsuya Shimizu, Masao Yamashita, Naotaka Tsutsumi, Yuta Suehiro, Keiichi Kojima, Yuki Sudo, Takashi Tamura, Hiroko Iwanari, Takao Hamakubo, So Iwata, Kei-ichi Okazaki, Teruhisa Hirai, Atsuko Yamashita
D O I:10.1038/s43-5
U R L:https://www.nature.com/articles/s41467-023-36883-5
◆研究資金
本研究は、日本学術振興会・科学研究費補助金(JP20H03195, JP18H02415, JP26440086)、公益財団法人小柳財団、公益財団法人武田科学振興財団、国立研究開発法人日本医療研究開発機構・創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム事業(JP20am0101079)の支援を受けて実施しました。
◆詳しい研究内容について
尿路結石形成を防ぐ腸内細菌で働く鍵分子・シュウ酸輸送体の立体構造解明
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20230403-1.pdf
◆参 考
・岡山大学薬学部・大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)
https://www.pharm.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)構造生物薬学研究室
https://www.pharm.okayama-u.ac.jp/research/list/6_1/
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 医歯薬域(薬)教授 山下敦子
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス
TEL:
FAX:
https://www.pharm.okayama-u.ac.jp/research/list/6_1/
自然科学研究機構 分子科学研究所 准教授 岡崎圭一
TEL:
京都大学大学院医学研究科 特定准教授 島村達郎
TEL:
理化学研究所放射光科学研究センター チームリーダー(当時) 平井照久
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):
岡山大学Image Movie (YouTube):
「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2023年4月 期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001324.000072793.html
岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています