2023/04/07 17:18
教育・研究エンジニア
<発表のポイント>
・地球上のすべての生命は、アミノ酸が長い鎖状に結合したタンパク質により構成されています。
・これまでに、地球生命の起源となり得るアミノ酸が地球外環境から供給された可能性が言及されています。
・リュウグウから回収された二粒子に含まれるアミノ酸の濃度を求めたところ、いくつかのアミノ酸の濃度が粒子間で異なることがわかりました。これらのアミノ酸はリュウグウ前駆天体(小惑星)の中、前駆物質が流体と反応した結果形成したと考えられます。小惑星や隕石に含まれるアミノ酸の一部が氷天体で形成されたことが示されました。
・アミノ酸の一部は、小惑星などの氷を含む小天体で形成され、このアミノ酸が衝突イベントなどを通じ地球に運ばれた結果、地球生命をもたらしたのかもしれません。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区)惑星物質研究所のクリスチャン・ポティシェル助教らの研究グループは、二つの異なる地点より採取したリュウグウ粒子に含まれるアミノ酸の濃度をそれぞれについて求めました。炭酸塩を多く粒子には、アミノ酸ジメチルグリシンが多く含まれ、他方の粒子にはアミノ酸ジメチルグリシンが検出されませんでした。
この結果は、太陽系初期の小惑星でアミノ酸が形成され、この時に水が重要な役割を果たしたことが明らかにしました。
これらの研究成果は2023年3月17日 、Nature Communications誌にオンライン掲載されました。
◆クリスチャン・ポティシェル助教からのひとこと
遥か昔、小惑星リュウグウでアミノ酸が生成されたことをわかった時は、研究室のみんなと狂喜乱舞しました。お祝いの席ではしゃぎ過ぎて日本酒を飲み過ぎてしまいました。この成果は、小惑星や彗星が生命の源を形成する環境であることをサポートする、重要な発見です。引き続き、太陽系小天体の進化を実験的に理解していこうと思います。
◆論文情報
論文名: Insights into the formation and evolution of extraterrestrial amino acids from the asteroid Ryugu
邦題名「小惑星リュウグウ回収試料の総合解析から理解する地球外環境におけるアミノ酸の形成及び進化」
掲載誌: Nature Communications
著 者: Christian Potiszil, Tsutomu Ota, Masahiro Yamanaka, Chie Sakaguchi, Katsura Kobayashi, Ryoji Tanaka, Tak Kunihiro, Hiroshi Kitagawa, Masanao Abe, Akiko Miyazaki, Aiko Nakato, Satoru Nakazawa, Masahiro Nishimura, Tatsuaki Okada, Takanao Saiki, Satoshi Tanaka, Fuyuto Terui, Yuichi Tsuda, Tomohiro Usui, Sei-ichiro Watanabe, Toru Yada, Kasumi Yogata, Makoto Yoshikawa and Eizo Nakamura
DOI: https://doi.org/10.1038/s41467-023-37107-6
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-023-37107-6
◆詳しい研究内容について
小惑星リュウグウに記録されたアミノ酸生成の痕跡~初期太陽系における水-有機物反応のスナップショット~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r4/press20230331-1.pdf
◆参 考
・岡山大学惑星物質研究所(IPM)
http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/jp/
・岡山大学惑星物質研究所 The Pheasant Memorial Laboratory(PML)
https://pml.misasa.okayama-u.ac.jp/home.php
◆参考情報
・【岡山大学】在日フランス大使館担当官、日本原子力研究開発機構理事長らが惑星物質研究所を視察 ~探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから採取した試料を観察~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000848.000072793.html
・【岡山大学】岡山大学惑星物質研究所「すぐにわかる小惑星リュウグウの起源と進化」が知の拠点【すぐわかアカデミア。】で動画配信スタート
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000833.000072793.html
・【岡山大学】小惑星リュウグウがかつて彗星であった可能性を理論的に指摘〜小惑星探査機「はやぶさ2」が採取した小惑星物質の起源解明へ〜
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000573.000072793.html
・【岡山大学】3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」から採取した試料をイベントに合わせて一般公開しました!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000170.000072793.html
・【岡山大学】惑星物質研究所の中村栄三教授が「令和2年度星取県推進功労者知事表彰」を受賞
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000072793.html
・「スペースサイエンスワールド星取県」基調講演/スペシャルトークセッションに中村栄三特任教授が登壇
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000152.000072793.html
・内閣府「国立大学イノベーション創出環境強化事業」に採択 イノベーションエコシステムの構築を加速(令和2年10月20日 付岡山大学プレスリリース)
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id9724.html
◆岡山大学惑星物質研究所紹介
YouTube 4:53
◆本件問い合わせ先
岡山大学惑星物質研究所 助教 クリスチャン・ポティシェル (English)
〒682-0193 鳥取県東伯郡三朝町山田827
E-mail:cpotiszil◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
岡山大学自然生命科学研究支援センター 特任教授 中村栄三 (日本語)
(勤務地:岡山大学惑星物質研究所〔〒682-0193 鳥取県東伯郡三朝町山田827〕)
TEL:
FAX:
E-mail:eizonak ◎misasa.okayama-u.ac.jp
https://pml.misasa.okayama-u.ac.jp/home.php
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています
・地球上のすべての生命は、アミノ酸が長い鎖状に結合したタンパク質により構成されています。
・これまでに、地球生命の起源となり得るアミノ酸が地球外環境から供給された可能性が言及されています。
・リュウグウから回収された二粒子に含まれるアミノ酸の濃度を求めたところ、いくつかのアミノ酸の濃度が粒子間で異なることがわかりました。これらのアミノ酸はリュウグウ前駆天体(小惑星)の中、前駆物質が流体と反応した結果形成したと考えられます。小惑星や隕石に含まれるアミノ酸の一部が氷天体で形成されたことが示されました。
・アミノ酸の一部は、小惑星などの氷を含む小天体で形成され、このアミノ酸が衝突イベントなどを通じ地球に運ばれた結果、地球生命をもたらしたのかもしれません。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区)惑星物質研究所のクリスチャン・ポティシェル助教らの研究グループは、二つの異なる地点より採取したリュウグウ粒子に含まれるアミノ酸の濃度をそれぞれについて求めました。炭酸塩を多く粒子には、アミノ酸ジメチルグリシンが多く含まれ、他方の粒子にはアミノ酸ジメチルグリシンが検出されませんでした。
この結果は、太陽系初期の小惑星でアミノ酸が形成され、この時に水が重要な役割を果たしたことが明らかにしました。
これらの研究成果は2023年3月17日 、Nature Communications誌にオンライン掲載されました。
◆クリスチャン・ポティシェル助教からのひとこと
遥か昔、小惑星リュウグウでアミノ酸が生成されたことをわかった時は、研究室のみんなと狂喜乱舞しました。お祝いの席ではしゃぎ過ぎて日本酒を飲み過ぎてしまいました。この成果は、小惑星や彗星が生命の源を形成する環境であることをサポートする、重要な発見です。引き続き、太陽系小天体の進化を実験的に理解していこうと思います。
◆論文情報
論文名: Insights into the formation and evolution of extraterrestrial amino acids from the asteroid Ryugu
邦題名「小惑星リュウグウ回収試料の総合解析から理解する地球外環境におけるアミノ酸の形成及び進化」
掲載誌: Nature Communications
著 者: Christian Potiszil, Tsutomu Ota, Masahiro Yamanaka, Chie Sakaguchi, Katsura Kobayashi, Ryoji Tanaka, Tak Kunihiro, Hiroshi Kitagawa, Masanao Abe, Akiko Miyazaki, Aiko Nakato, Satoru Nakazawa, Masahiro Nishimura, Tatsuaki Okada, Takanao Saiki, Satoshi Tanaka, Fuyuto Terui, Yuichi Tsuda, Tomohiro Usui, Sei-ichiro Watanabe, Toru Yada, Kasumi Yogata, Makoto Yoshikawa and Eizo Nakamura
DOI: https://doi.org/10.1038/s41467-023-37107-6
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-023-37107-6
◆詳しい研究内容について
小惑星リュウグウに記録されたアミノ酸生成の痕跡~初期太陽系における水-有機物反応のスナップショット~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r4/press20230331-1.pdf
◆参 考
・岡山大学惑星物質研究所(IPM)
http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/jp/
・岡山大学惑星物質研究所 The Pheasant Memorial Laboratory(PML)
https://pml.misasa.okayama-u.ac.jp/home.php
◆参考情報
・【岡山大学】在日フランス大使館担当官、日本原子力研究開発機構理事長らが惑星物質研究所を視察 ~探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから採取した試料を観察~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000848.000072793.html
・【岡山大学】岡山大学惑星物質研究所「すぐにわかる小惑星リュウグウの起源と進化」が知の拠点【すぐわかアカデミア。】で動画配信スタート
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000833.000072793.html
・【岡山大学】小惑星リュウグウがかつて彗星であった可能性を理論的に指摘〜小惑星探査機「はやぶさ2」が採取した小惑星物質の起源解明へ〜
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000573.000072793.html
・【岡山大学】3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」から採取した試料をイベントに合わせて一般公開しました!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000170.000072793.html
・【岡山大学】惑星物質研究所の中村栄三教授が「令和2年度星取県推進功労者知事表彰」を受賞
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000072793.html
・「スペースサイエンスワールド星取県」基調講演/スペシャルトークセッションに中村栄三特任教授が登壇
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000152.000072793.html
・内閣府「国立大学イノベーション創出環境強化事業」に採択 イノベーションエコシステムの構築を加速(令和2年10月20日 付岡山大学プレスリリース)
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id9724.html
◆岡山大学惑星物質研究所紹介
YouTube 4:53
◆本件問い合わせ先
岡山大学惑星物質研究所 助教 クリスチャン・ポティシェル (English)
〒682-0193 鳥取県東伯郡三朝町山田827
E-mail:cpotiszil◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
岡山大学自然生命科学研究支援センター 特任教授 中村栄三 (日本語)
(勤務地:岡山大学惑星物質研究所〔〒682-0193 鳥取県東伯郡三朝町山田827〕)
TEL:
FAX:
E-mail:eizonak ◎misasa.okayama-u.ac.jp
https://pml.misasa.okayama-u.ac.jp/home.php
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています