2022/06/04 23:38
農林水産
<発表のポイント>
・イネ科の作物や雑草は実(み)がなる時、「芒(「ぼう」あるいは「のぎ」、「のげ」)と呼ばれる細長い突起を先端に作り、外敵を避けたりして生存の工夫をします。芒(ぼう)があったりなかったりするしくみは遺伝子によって決まると考えられています。
・今回、ソルガム(別名:高黍(たかきび)、高粱(こうりゃん)、もろこし)という穀物を用いて、芒(ぼう)をなくす遺伝子があることを突き止めました。
・この遺伝子でソルガムだけでなくコメの芒(ぼう)を無くすこともできるので、収穫の手間を省くことや機能性を高めた品種の開発が期待されます。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区津島中、学長:槇野博史)資源植物科学研究所(倉敷市中央)の坂本亘教授は、東京大学大学院農学生命科学研究科のグループらと共同で、バイオマス作物ソルガム(Sorghum bicolor)の「芒(ぼう)」という実(み)の突起を作らなくする珍しい遺伝子を明らかにしました。
本研究成果は、2022年5月27日 午後8時(日本時間)に、国際学術誌「Plant and Cell Physiology」オンライン版に掲載されました。
今回見つかった芒(ぼう)を作らなくする遺伝子は、ソルガムが栽培される過程で「遺伝子重複」という現象により出現し、その遺伝子を持つ品種は無芒(むぼう)となるため栽培しやすく、各地の品種に広まっていったと考えられます。穀物の穂に特徴的な構造ができる現象を明らかにするだけでなく、今回、この遺伝子を芒(ぼう)があるイネ品種に導入すると芒(ぼう)をなくすことができることもわかりました。芒(ぼう)のない品種の開発などに利用され、穀物栽培の効率化や機能性の向上に役立つことが期待されます。
◆坂本亘教授からひとこと
今回論文発表する穀物の芒を作らなくする遺伝子の研究は、大型でバイオマス利用が期待される作物であるソルガムを用いて明らかになった成果の1つです。ソルガムの実はグルテンフリーの機能性食材として、また大きな茎葉は家畜の飼料だけでなく、バイオエネルギーやバイオ素材の原料としての利活用も期待されています。21世紀の作物・バイオ素材として注目されています。
ちなみに岡山名物「きびだんご」の「きび」はもともと「たかきび」に由来すると言われていますから、ソルガムのことです。
◆論文情報
論 文 名:DOMINANT AWN INHIBITOR encodes the ALOG protein originating from gene duplication and inhibits awn elongation by suppressing cell proliferation and elongation in sorghum
掲 載 紙:Plant and Cell Physiology
著 者:Hideki Takanashi, Hiromi Kajiya-Kanegae, Asuka Nishimura, Junko Yamada, Motoyuki Ishimori, Masaaki Kobayashi, Kentaro Yano, Hiroyoshi Iwata, Nobuhiro Tsutsumi*, and Wataru Sakamoto* (*責任著者)
D O I: 10.1903/pcp/pcac057
U R L: https://academic.oup.com/pcp/advance-article/doi/10.1093/pcp/pcac057/6595213
◆研究資金
本研究は、日本学術振興会科学研究費(基盤研究B)、公益社団法人大原奨農会の研究助成により行われました。
◆詳しいプレスリリースについて
穀物の「芒(ぼう)」ができなくなるしくみの解明
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r4/press20220527-11.pdf
◆参 考
・岡山大学資源植物科学研究所
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学資源植物科学研究所 光環境適応研究グループ
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/saka/
◆本件お問い合わせ先
岡山大学資源植物科学研究所 光環境適応研究グループ 教授 坂本 亘
〒710-0046 岡山県倉敷市中央2-20-1
TEL:
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/saka/
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学Image Movie (2020):
「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2022年6月 期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000691.000072793.html
岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています
・イネ科の作物や雑草は実(み)がなる時、「芒(「ぼう」あるいは「のぎ」、「のげ」)と呼ばれる細長い突起を先端に作り、外敵を避けたりして生存の工夫をします。芒(ぼう)があったりなかったりするしくみは遺伝子によって決まると考えられています。
・今回、ソルガム(別名:高黍(たかきび)、高粱(こうりゃん)、もろこし)という穀物を用いて、芒(ぼう)をなくす遺伝子があることを突き止めました。
・この遺伝子でソルガムだけでなくコメの芒(ぼう)を無くすこともできるので、収穫の手間を省くことや機能性を高めた品種の開発が期待されます。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区津島中、学長:槇野博史)資源植物科学研究所(倉敷市中央)の坂本亘教授は、東京大学大学院農学生命科学研究科のグループらと共同で、バイオマス作物ソルガム(Sorghum bicolor)の「芒(ぼう)」という実(み)の突起を作らなくする珍しい遺伝子を明らかにしました。
本研究成果は、2022年5月27日 午後8時(日本時間)に、国際学術誌「Plant and Cell Physiology」オンライン版に掲載されました。
今回見つかった芒(ぼう)を作らなくする遺伝子は、ソルガムが栽培される過程で「遺伝子重複」という現象により出現し、その遺伝子を持つ品種は無芒(むぼう)となるため栽培しやすく、各地の品種に広まっていったと考えられます。穀物の穂に特徴的な構造ができる現象を明らかにするだけでなく、今回、この遺伝子を芒(ぼう)があるイネ品種に導入すると芒(ぼう)をなくすことができることもわかりました。芒(ぼう)のない品種の開発などに利用され、穀物栽培の効率化や機能性の向上に役立つことが期待されます。
◆坂本亘教授からひとこと
今回論文発表する穀物の芒を作らなくする遺伝子の研究は、大型でバイオマス利用が期待される作物であるソルガムを用いて明らかになった成果の1つです。ソルガムの実はグルテンフリーの機能性食材として、また大きな茎葉は家畜の飼料だけでなく、バイオエネルギーやバイオ素材の原料としての利活用も期待されています。21世紀の作物・バイオ素材として注目されています。
ちなみに岡山名物「きびだんご」の「きび」はもともと「たかきび」に由来すると言われていますから、ソルガムのことです。
◆論文情報
論 文 名:DOMINANT AWN INHIBITOR encodes the ALOG protein originating from gene duplication and inhibits awn elongation by suppressing cell proliferation and elongation in sorghum
掲 載 紙:Plant and Cell Physiology
著 者:Hideki Takanashi, Hiromi Kajiya-Kanegae, Asuka Nishimura, Junko Yamada, Motoyuki Ishimori, Masaaki Kobayashi, Kentaro Yano, Hiroyoshi Iwata, Nobuhiro Tsutsumi*, and Wataru Sakamoto* (*責任著者)
D O I: 10.1903/pcp/pcac057
U R L: https://academic.oup.com/pcp/advance-article/doi/10.1093/pcp/pcac057/6595213
◆研究資金
本研究は、日本学術振興会科学研究費(基盤研究B)、公益社団法人大原奨農会の研究助成により行われました。
◆詳しいプレスリリースについて
穀物の「芒(ぼう)」ができなくなるしくみの解明
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r4/press20220527-11.pdf
◆参 考
・岡山大学資源植物科学研究所
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学資源植物科学研究所 光環境適応研究グループ
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/saka/
◆本件お問い合わせ先
岡山大学資源植物科学研究所 光環境適応研究グループ 教授 坂本 亘
〒710-0046 岡山県倉敷市中央2-20-1
TEL:
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/saka/
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学Image Movie (2020):
「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2022年6月 期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000691.000072793.html
岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています