2021/12/28 16:07
水産加工/食料品/飲料/酒類
静岡県でシングルモルトウイスキーを製造販売するガイアフロー株式会社(静岡県静岡市葵区落合555番地/代表 中村大航)は、原材料が100%静岡産である「オール静岡産ウイスキー」の製造に、今年度初めて着手したことを発表いたします。
静岡蒸溜所がこの「オール静岡産ウイスキー」を手がけるのは今年で3回目となります。
近年、「オクシズ(奥静岡)」という愛称で注目を集める静岡市葵区の山間部で、地元に根ざしたウイスキーづくりを行うガイアフロー株式会社 静岡蒸溜所。
2021年12月 より、大麦麦芽、酵母、水、燃料の全てを静岡県産で揃えた「オール静岡産ウイスキー」の製造が始まりました。今年収穫した大麦では、年内から年明けまでの仕込みを予定しています。
●静岡産大麦
現在、世界中でウイスキーが造られていますが、大麦の産地にこだわる蒸留所はわずか。アルコール収率が高い品種を求め、産地にこだわらず価格の安い輸入品を使用するのが主流ですが、クラフト蒸留所を中心に、地元産原料を使おうという動きが起こっています。
静岡蒸溜所では「せっかく静岡でウイスキーを造るなら、原材料をすべて静岡産にして造りたい!」という思いから、これまで大麦栽培の経験がなかった地元農家や組合と協働し、挑戦を始めました。
2018年、蒸溜所近隣の玉川地区桂山および富士宮で試験的に栽培・収穫した大麦を使用したことを皮切りに、2019年から焼津市の3軒の農家と協働し、本格的に栽培を開始。
焼津市での大麦栽培は初めてのため、JAおおいがわ、静岡県経済農業協同組合連合会、静岡県農林技術研究所の協力を得て、2020年5月 に初めての収穫を迎えました。品種は「ニューサチホゴールデン」。国内での品種改良によって誕生した二条大麦品種です。
秋蒔きの大麦は11月頃から種を蒔き翌年5月頃に収穫。今年の収穫は昨年の1.4倍に増え、静岡蒸溜所の年間生産量のおよそ1割をまかなえるほどになりました。
<大井川農協 焼津営農経済センターのコメント>
焼津産大麦の挑戦も3年目となりました。生産者も毎年課題を見つけ品質や収量向上に向け日々奮闘しています。この地域は酒米「誉富士」の産地です。したがって、一つの酒の原料を造ることに長けた技術集団です。水稲の大きな裏作として、または酒米に続いて大麦の大きな産地になってもらえるよう期待しています。
<生産者のコメント>
最初の生産から早3年、ウイスキーの販売も始まると思うとわくわくします。試飲用のサンプルを以前いただきましたが、もったいなくて開けられません。全原料が自己生産!もう言うことがないでしょう。
静岡蒸溜所では、今後さらに静岡産大麦の使用比率を高められるよう、地元の農業関係者や生産者の方々と密接に連動して進めてまいります。また大麦栽培にご協力いただける県内農家の方も募集しています。
●静岡産酵母
ウイスキーづくりにおいて、これまで酵母が注目を集めることはあまりありませんでした。しかし静岡蒸溜所では、通常ウイスキー用の輸入酵母を使用する一方で、県内で開発された酵母を併用しています。地元産の独自の酵母を用いるウイスキーの蒸留所は、世界的にも非常に珍しいのです。
酵母の名前は「NMZ-0688」。沼津工業技術支援センターで、ウイスキーやビールの麦芽の発酵用に開発されました。
全国新酒鑑評会でも高く評価されている、日本酒の清酒酵母「静岡酵母」を開発した同センター。このような優れた酵母開発のノウハウを生かし、麦のための酵母を開発していただきました。
大麦のデンプン質をアルコールに変えるという、非常に重要な働きをする酵母。同じく地元産の杉で造られた発酵槽で活発に働いて、良質な「もろみ」を醸し出しています。
●仕込水
世界中の数々の名蒸留所は、古くから豊かな水源の近くに建てられてきました。日本酒と同様「銘酒のあるところ名水あり」、清らかで豊富な水は酒造りの鍵といえるでしょう。
静岡蒸溜所では、そばを流れる安倍中河内川の伏流水を、敷地内の井戸から汲み上げて使用しています。安倍中河内川は、静岡市の生活を支える安倍川の水系で、良質な水質で知られています。水質は中硬水で、出来上がるウイスキーは香り豊かで上品なウイスキーになると言われています。
大麦から麦汁を造るという仕込みの第一段階から、最終的に原酒のアルコール度数を調整する加水の工程まで。静岡蒸溜所ではすべてこの良質な静岡の水を使用しています。
●燃料
ウイスキーづくり特有の工程である蒸留でも、地元産の原材料が活躍しています。世界唯一の薪直火蒸留機では、この地で伐採された間伐材を燃料にするために誕生しました。
健全な森林を保つために、密集した木々を間引きすることで間伐材が生まれますが、杉の間伐材はあまり用途がありません。地域の自然保護を担う株式会社玉川きこり社が、日々山を管理する中で生じた間伐材を、蒸溜所の敷地内で薪割り、乾燥させて使用しています。
地元の森林の健全な成長を促す活動の一端を担いながら、世界でたったひとつの蒸留機が、静岡のテロワールを体現する原酒を生み出しています。
●熟成、ボトリング
蒸留したばかりの無色透明な原酒がウイスキーになるまでには、最低3年の熟成期間が必要となります。
オクシズの山々に抱かれた貯蔵庫で、清廉な空気のなかで熟成しています。飲み頃を迎えた原酒は蒸溜所内にて手作業でボトリング(瓶詰め)されて完成します。
「オール静岡産ウイスキー」は、麦の種子として静岡の大地に触れた瞬間から、ウイスキーに生まれ変わってお客様の手に届くまで、静岡の自然に包まれて育ちます。
ガイアフロー株式会社代表取締役の中村大航は、今年もすべて原材料を静岡県産で揃えられ、仕込みができることについて、
『静岡蒸溜所では、静岡のテロワールを表現した「静岡らしいウイスキー」を目指して、試行錯誤を重ねています。農業の生産者や自治体の機関のみなさまと協力して、着実に前進できていることに感謝します。今後も静岡産の原材料での仕込みを増やしていきたいと考えております』と語っています。
この仕込みの様子については、事前予約制の「蒸溜所見学ツアー」でどなたでもご覧になることができます。詳細・お申し込みは弊社ウェブサイトをご確認ください。
https://shizuoka-distillery.jp/tour/
会社概要
ガイアフローディスティリング株式会社(代表取締役 中村大航)
2014年設立。「静岡らしいウイスキーを造る」という目標のもと静岡蒸溜所を創設し、2016年よりシングルモルトウイスキーの生産を開始。2020年に初めて「シングルモルト日本ウイスキー 静岡 プロローグK」をリリース。これに続き、蒸留機の違いによる味わいの違いに着目した「プロローグW」、それぞれの原酒をブレンドした「コンタクトS」をリリースしており、いずれも完売。海外でもその味わいは高く評価されており、ウイスキーの評価サイトで高得点を獲得しています。
静岡に根ざしたウイスキーづくり、地域創出を目指しています。
静岡蒸溜所がこの「オール静岡産ウイスキー」を手がけるのは今年で3回目となります。
近年、「オクシズ(奥静岡)」という愛称で注目を集める静岡市葵区の山間部で、地元に根ざしたウイスキーづくりを行うガイアフロー株式会社 静岡蒸溜所。
2021年12月 より、大麦麦芽、酵母、水、燃料の全てを静岡県産で揃えた「オール静岡産ウイスキー」の製造が始まりました。今年収穫した大麦では、年内から年明けまでの仕込みを予定しています。
●静岡産大麦
現在、世界中でウイスキーが造られていますが、大麦の産地にこだわる蒸留所はわずか。アルコール収率が高い品種を求め、産地にこだわらず価格の安い輸入品を使用するのが主流ですが、クラフト蒸留所を中心に、地元産原料を使おうという動きが起こっています。
静岡蒸溜所では「せっかく静岡でウイスキーを造るなら、原材料をすべて静岡産にして造りたい!」という思いから、これまで大麦栽培の経験がなかった地元農家や組合と協働し、挑戦を始めました。
2018年、蒸溜所近隣の玉川地区桂山および富士宮で試験的に栽培・収穫した大麦を使用したことを皮切りに、2019年から焼津市の3軒の農家と協働し、本格的に栽培を開始。
焼津市での大麦栽培は初めてのため、JAおおいがわ、静岡県経済農業協同組合連合会、静岡県農林技術研究所の協力を得て、2020年5月 に初めての収穫を迎えました。品種は「ニューサチホゴールデン」。国内での品種改良によって誕生した二条大麦品種です。
秋蒔きの大麦は11月頃から種を蒔き翌年5月頃に収穫。今年の収穫は昨年の1.4倍に増え、静岡蒸溜所の年間生産量のおよそ1割をまかなえるほどになりました。
<大井川農協 焼津営農経済センターのコメント>
焼津産大麦の挑戦も3年目となりました。生産者も毎年課題を見つけ品質や収量向上に向け日々奮闘しています。この地域は酒米「誉富士」の産地です。したがって、一つの酒の原料を造ることに長けた技術集団です。水稲の大きな裏作として、または酒米に続いて大麦の大きな産地になってもらえるよう期待しています。
<生産者のコメント>
最初の生産から早3年、ウイスキーの販売も始まると思うとわくわくします。試飲用のサンプルを以前いただきましたが、もったいなくて開けられません。全原料が自己生産!もう言うことがないでしょう。
静岡蒸溜所では、今後さらに静岡産大麦の使用比率を高められるよう、地元の農業関係者や生産者の方々と密接に連動して進めてまいります。また大麦栽培にご協力いただける県内農家の方も募集しています。
●静岡産酵母
ウイスキーづくりにおいて、これまで酵母が注目を集めることはあまりありませんでした。しかし静岡蒸溜所では、通常ウイスキー用の輸入酵母を使用する一方で、県内で開発された酵母を併用しています。地元産の独自の酵母を用いるウイスキーの蒸留所は、世界的にも非常に珍しいのです。
酵母の名前は「NMZ-0688」。沼津工業技術支援センターで、ウイスキーやビールの麦芽の発酵用に開発されました。
全国新酒鑑評会でも高く評価されている、日本酒の清酒酵母「静岡酵母」を開発した同センター。このような優れた酵母開発のノウハウを生かし、麦のための酵母を開発していただきました。
大麦のデンプン質をアルコールに変えるという、非常に重要な働きをする酵母。同じく地元産の杉で造られた発酵槽で活発に働いて、良質な「もろみ」を醸し出しています。
●仕込水
世界中の数々の名蒸留所は、古くから豊かな水源の近くに建てられてきました。日本酒と同様「銘酒のあるところ名水あり」、清らかで豊富な水は酒造りの鍵といえるでしょう。
静岡蒸溜所では、そばを流れる安倍中河内川の伏流水を、敷地内の井戸から汲み上げて使用しています。安倍中河内川は、静岡市の生活を支える安倍川の水系で、良質な水質で知られています。水質は中硬水で、出来上がるウイスキーは香り豊かで上品なウイスキーになると言われています。
大麦から麦汁を造るという仕込みの第一段階から、最終的に原酒のアルコール度数を調整する加水の工程まで。静岡蒸溜所ではすべてこの良質な静岡の水を使用しています。
●燃料
ウイスキーづくり特有の工程である蒸留でも、地元産の原材料が活躍しています。世界唯一の薪直火蒸留機では、この地で伐採された間伐材を燃料にするために誕生しました。
健全な森林を保つために、密集した木々を間引きすることで間伐材が生まれますが、杉の間伐材はあまり用途がありません。地域の自然保護を担う株式会社玉川きこり社が、日々山を管理する中で生じた間伐材を、蒸溜所の敷地内で薪割り、乾燥させて使用しています。
地元の森林の健全な成長を促す活動の一端を担いながら、世界でたったひとつの蒸留機が、静岡のテロワールを体現する原酒を生み出しています。
●熟成、ボトリング
蒸留したばかりの無色透明な原酒がウイスキーになるまでには、最低3年の熟成期間が必要となります。
オクシズの山々に抱かれた貯蔵庫で、清廉な空気のなかで熟成しています。飲み頃を迎えた原酒は蒸溜所内にて手作業でボトリング(瓶詰め)されて完成します。
「オール静岡産ウイスキー」は、麦の種子として静岡の大地に触れた瞬間から、ウイスキーに生まれ変わってお客様の手に届くまで、静岡の自然に包まれて育ちます。
ガイアフロー株式会社代表取締役の中村大航は、今年もすべて原材料を静岡県産で揃えられ、仕込みができることについて、
『静岡蒸溜所では、静岡のテロワールを表現した「静岡らしいウイスキー」を目指して、試行錯誤を重ねています。農業の生産者や自治体の機関のみなさまと協力して、着実に前進できていることに感謝します。今後も静岡産の原材料での仕込みを増やしていきたいと考えております』と語っています。
この仕込みの様子については、事前予約制の「蒸溜所見学ツアー」でどなたでもご覧になることができます。詳細・お申し込みは弊社ウェブサイトをご確認ください。
https://shizuoka-distillery.jp/tour/
会社概要
ガイアフローディスティリング株式会社(代表取締役 中村大航)
2014年設立。「静岡らしいウイスキーを造る」という目標のもと静岡蒸溜所を創設し、2016年よりシングルモルトウイスキーの生産を開始。2020年に初めて「シングルモルト日本ウイスキー 静岡 プロローグK」をリリース。これに続き、蒸留機の違いによる味わいの違いに着目した「プロローグW」、それぞれの原酒をブレンドした「コンタクトS」をリリースしており、いずれも完売。海外でもその味わいは高く評価されており、ウイスキーの評価サイトで高得点を獲得しています。
静岡に根ざしたウイスキーづくり、地域創出を目指しています。