2021/09/19 17:08
農林水産
<発表のポイント>
・複数の植物が同じ送粉者(昆虫や鳥など)を利用する場合、送粉者を介した異種間送粉がもたらす悪影響(繁殖干渉)によって、安定的な共存が困難になることが知られています。
・本研究によって、自家受粉(同一花内のおしべとめしべで起こる受粉)の進化が、送粉者を共有する植物2種の長期的な共存を可能にすることが明らかになりました。
・植物に普遍的にみられる自家受粉の進化と多種共存メカニズムを結び付けた世界初の研究です。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)学術研究院環境生命科学学域(工)の勝原光希助教(当時所属:神戸大学大学院人間発達環境学研究科)、東京都立大学大学院理学研究科の立木佑弥助教、理化学研究所数理創造プログラムの入谷亮介研究員(当時所属:University of California Berkeley, University of Exeter)、神戸大学大学院人間発達環境学研究科の丑丸敦史教授は、個体ベースモデルを用いたシミュレーションを行い、同じ種の送粉者を共有し競争関係にある植物2種において、個体数の少ない種でより高い自家受粉率が進化することで個体数が増加に転じる進化的救助が発生し、それによって2種の長期的な共存が促進されることを明らかにしました。
この研究成果は、2021年9月17日(金) 15:01(日本時間)に、英科学雑誌「Journal of Ecology」に掲載されました。
この結果は、複数の植物種が同所的に開花して共存できる理由にまったく新しい理論を加えると共に、植物で多様な繁殖戦略が進化してきた要因についても新たな視点を与えるものです。陸上生態系の根幹を支える植物の多様性の創出・維持メカニズムを理解することは、生物多様性の源泉の理解のみならず、生態系と調和した持続可能な社会形成を考える上でも不可欠であり、基礎・応用の両面において重要な知見であるといえます。
◆勝原光希助教からのひとこと
修士課程の学生だった頃、研究していた花たちを野外で見ていて思いついたアイデアを、数理生物学の専門家の力を借りながらじっくりと煮詰めて作り上げたのがこの研究です。現象の全てを理解するには自然界は複雑すぎますが、その一端の理解に自分が貢献できたと思うと、とても感慨深いです。
◆論文情報
論 文 名:The eco-evolutionary dynamics of prior selfing rates promote coexistence without niche partitioning under conditions of reproductive interference
掲 載 紙: Journal of Ecology
著 者: Koki R. Katsuhara, Yuuya Tachiki, Ryosuke Iritani and Atushi Ushimaru
D O I: 10.1111/1365-2745.13768
U R L: https://besjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/1365-2745.13768
◆詳しいプレスリリースについて
植物の多種共存を説明する新たなメカニズムの発見 ~開花前の自家受粉の進化が引き起こす進化的救助~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20210917-2.pdf
◆参 考
・岡山大学大学院 環境生命科学研究科
http://www.gels.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学工学部
https://www.engr.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学農学部
https://www.okayama-u.ac.jp/user/agr/
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 環境生命科学学域(工)助教 勝原光希
TEL:
<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学連携・知的財産本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学Image Movie (2020):
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2021年9月 期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000237.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
岡山大学「THEインパクトランキング2021」総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
・複数の植物が同じ送粉者(昆虫や鳥など)を利用する場合、送粉者を介した異種間送粉がもたらす悪影響(繁殖干渉)によって、安定的な共存が困難になることが知られています。
・本研究によって、自家受粉(同一花内のおしべとめしべで起こる受粉)の進化が、送粉者を共有する植物2種の長期的な共存を可能にすることが明らかになりました。
・植物に普遍的にみられる自家受粉の進化と多種共存メカニズムを結び付けた世界初の研究です。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)学術研究院環境生命科学学域(工)の勝原光希助教(当時所属:神戸大学大学院人間発達環境学研究科)、東京都立大学大学院理学研究科の立木佑弥助教、理化学研究所数理創造プログラムの入谷亮介研究員(当時所属:University of California Berkeley, University of Exeter)、神戸大学大学院人間発達環境学研究科の丑丸敦史教授は、個体ベースモデルを用いたシミュレーションを行い、同じ種の送粉者を共有し競争関係にある植物2種において、個体数の少ない種でより高い自家受粉率が進化することで個体数が増加に転じる進化的救助が発生し、それによって2種の長期的な共存が促進されることを明らかにしました。
この研究成果は、2021年9月17日(金) 15:01(日本時間)に、英科学雑誌「Journal of Ecology」に掲載されました。
この結果は、複数の植物種が同所的に開花して共存できる理由にまったく新しい理論を加えると共に、植物で多様な繁殖戦略が進化してきた要因についても新たな視点を与えるものです。陸上生態系の根幹を支える植物の多様性の創出・維持メカニズムを理解することは、生物多様性の源泉の理解のみならず、生態系と調和した持続可能な社会形成を考える上でも不可欠であり、基礎・応用の両面において重要な知見であるといえます。
◆勝原光希助教からのひとこと
修士課程の学生だった頃、研究していた花たちを野外で見ていて思いついたアイデアを、数理生物学の専門家の力を借りながらじっくりと煮詰めて作り上げたのがこの研究です。現象の全てを理解するには自然界は複雑すぎますが、その一端の理解に自分が貢献できたと思うと、とても感慨深いです。
◆論文情報
論 文 名:The eco-evolutionary dynamics of prior selfing rates promote coexistence without niche partitioning under conditions of reproductive interference
掲 載 紙: Journal of Ecology
著 者: Koki R. Katsuhara, Yuuya Tachiki, Ryosuke Iritani and Atushi Ushimaru
D O I: 10.1111/1365-2745.13768
U R L: https://besjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/1365-2745.13768
◆詳しいプレスリリースについて
植物の多種共存を説明する新たなメカニズムの発見 ~開花前の自家受粉の進化が引き起こす進化的救助~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20210917-2.pdf
◆参 考
・岡山大学大学院 環境生命科学研究科
http://www.gels.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学工学部
https://www.engr.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学農学部
https://www.okayama-u.ac.jp/user/agr/
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 環境生命科学学域(工)助教 勝原光希
TEL:
<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学連携・知的財産本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
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岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html