株式会社グローバルワイズ(本社:名古屋市中村区、代表取締役:東村 大介)は、弊社のパートナー企業であるドイツのセキュリティソフト会社G Data Software AG(本社:ボーフム市、代表取締役:カイ・フィゲ他)が、ベルギー外務省へのスパイウェア攻撃を「ウロボロス」と特定し、ロシア語圏の諜報機関が作成した可能性が高いとみなしてたことを、ここに報告します。

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内外のマスコミが報道しているように、ベルギーの外務大臣であるディディエ・レンデルスが5月12日  のEU外相理事会で述べたところによると、2014年5月  上旬にスパイウェア「ウロボロス」が外務省のコンピュータ・ネットワークを襲い、ウクライナ危機に関する情報や文書が外部に持ち出されました。

G Dataセキュリティラボでは2014年2月  に、きわめて複雑かつ巧妙なルートキットを発見し、プログラム内に含まれていた文字列やその高度な技術力と自律性からそれを「ウロボロス」と命名していましたが、今回の攻撃に用いられたマルウェアと「ウロボロス」とがほぼ同型のものであると考えます。

*「ウロボロス」の詳細については、2014年3月15日  に発表した、
 以下の記事を参照してください。

 新たな高度ルートキット「ウロボロス」発見される
 http://www.g-wise.co.jp/ir/pdf/press20140305.pdf

「ウロボロス」は、ドライバーと暗号化された仮想ファイルシステムといった、2つのファイルから構成されています。このマルウェアを使うことで、攻撃者は感染させたPCをコントロールし、プログラムを走らせているにもかかわらず表向きはその挙動を隠すことが可能となります。また、インターネットに直接接続していなくても感染可能であり、感染力がきわめて高いのも特徴です。

なお、ウロボロスの基本機能は、データを盗み出し、ネットワークのデータトラフィックを傍受することであるため、「スパイウェア」に分類が可能ですが、それだけではなく、あとからマルウェアに別な機能を追加することができるようにモジュラー設計が施されています。こうした柔軟性と拡張性があることからG Dataセキュリティラボは、このマルウェアをより高度で巧妙な「ルートキット」に分類しています。

また、さらに遡ると、ファイル名や暗号化手法、そしてマルウェアの挙動など技術的観点からみて、「ウロボロス」は、2008年に米国に対して実行されたサイバー攻撃に用いられたマルウェア(=Agent.BTZ)との類似性が高く、これらが同じ組織でつくられた可能性もきわめて高いと考えられます。

一般ユーザーを攻撃するのにこれほど高度なマルウェアは必要とされませんので、「ウロボロス」は、大企業や官公庁などのネットワークを攻撃するために作成された、と考えるのが妥当です。また、プログラム内の文字列や言語の設定などからみると、ロシア語に通じている人たちがかかわっていることも疑いありません。したがって「ウロボロス」は、ロシア語圏の諜報機関でつくられたのではないか、とG Dataセキュリティラボは推定しています。


ジーデータソフトウェアについて
G Data Softwareは、1985年に創業し、1987年に世界初の個人向けウイルス対策ソフトを開発したドイツのセキュリティソフトウェア会社です。最大の特徴は、世界最高位のウイルス検出率。既知ウイルスはもちろんのこと、新種や未知ウイルスの防御、フィッシング対策、オンラインバンキング対策、スパム対策など、インターネットやメール環境を、安全・快適にする機能を豊富に搭載しています。現在は、Windows PCにかぎらずMacやAndroid端末向けのセキュリティソフトも開発しています。


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セキュリティソリューション推進室 浦瀬・山本
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