2013/07/28 18:24
機械・機械部品・精密機械
プレスリリース
2013年7月28日
報道機関各位
横浜製機株式会社、NPO日本スターリングエンジン普及協会 「(通称)KAIHOエンジン」マスコミ向け公開 8月5日(月) 13:30~、横須賀市内川の横浜製機にて
「NEDO新エネルギーベンチャー技術革新事業フェーズC事業」として開発中
■“間伐材、畜糞など固形バイオマス”を直接燃焼して電力に変換■
かねてNEDO新エネルギーベンチャー技術革新事業フェーズC事業として開発中の「(通称)KAIHOエンジン」を公開する運びとなりましたので、ここにご案内を申し上げます。輸送用機械器具製造の横浜製機株式会社(関根宗平社長)、NPO日本スターリングエンジン普及協会(理事長:鶴野省三防衛大学校名誉教授、本部:東京都千代田区)が実施します。
KAIHOエンジン(*注)は“間伐材、畜糞など固形バイオマス”を直接燃焼して電力に変換する技術です。固形バイオマスは間伐材、畜糞はじめ汚泥の乾燥ペレット、製材廃材、建築廃材、バガスやヤシ油などの搾りかす、もみ殻、ナッツ類の殻、また産廃やごみ処理排熱など地球規模でみれば実に多種多様かつ大量に存在する未利用バイオマス資源で、今現在はその大部分が焼却処分されています。
(*注)KAIHOエンジンは発明者:NPO日本スターリングエンジン普及協会理事「海法俊光氏」の名前をとっている。
■横須賀・神奈川から我が国のみならず世界へ広げる■
その理由は、このバイオマス資源を中小規模で発電(10~50kW)する技術が世界にいまだ存在しないからなのです。
KAIHOエンジンは、この未解決技術に挑戦するもので、ようやく解決の道筋をとらえるに至りました。現状はまさに卵が孵化した直後ですが、予期以上の試験結果が得られつつあり、開発・生産体制を整備して商品化に向けた努力を加速する所存です。KAIHOエンジン技術を完成すれば、再生可能エネルギー利活用に大きな道を開くことができます。町おこし、地域おこし、モノづくりなど我が国経済再生に寄与できると考えています。
私共はKAIHOエンジンを横須賀・神奈川から我が国のみならず世界へ広げていきたいと考えています。このような思いを込めてプレスの方々に見て頂きたいとご案内申し上げる次第です。
なお、本エンジン公開にご参加頂ける方は誠に恐縮ですが、事前に下記問い合わせ先に参加する旨のご連絡(電子メール、FAX、電話にて)頂ければ幸甚でございます。
記
1. 日時:平成25年8月5日(月) 13:30 ~
2. 場所:横浜製機株式会社 〒239- 0836 神奈川県横須賀市内川1-8-31
3. 問い合わせ先:横浜製機株式会社総務部 部長 古川史朗
e-mail:
TEL: (代表)/ FAX:
4. アクセス:京浜急行「北久里浜駅」下車。バスかタクシーをご利用ください。
(ア) タクシーをご利用の方は、行先:「内川の工業団地の横浜製機」で分かると思います。
(イ)バスご利用の場合:バス乗り場とバス発車時刻は下記の通りです。
① バス発車時刻
12時 07、52
13時 38
14時 19, 39
② バスストップ(乗車)(工業団地経由久里浜駅行き)
北久里浜駅の改札口を出て左方向。モスバーガーの前を通過。歩道橋下。
③ 下車バス停車場・・・・久里浜工業団地(乗車時間約10分)
下車してバス進行方向に30mのところに、横浜製機株式会社があります。
2階会議室までお出でください。
■横浜製機株式会社のプロフィール
・所在地 〒239-0836 神奈川県横須賀市内川1-8-31
TEL: (代表)/ FAX:
・HP http://www.yokosei.co.jp
・設立 昭和32年10月29日
・代表者 代表取締役社長 関根宗平
・従業員数 117名
・事業内容 輸送用機械器具製造業 (主として鉄道車両)
■NPO 日本スターリングエンジン普及協会
・本部事務所 〒101-0047 東京都千代田区内神田1丁目12番12号
Tel. FAX:
・目的 スターリングエンジンの早期実用化・普及に努め、新たな産業を創生し、環境
に優しいスターリングエンジンの特徴によって“バイオマス・ニッポン総合戦
略”が目指す循環型社会の構築に貢献します。
・活動内容 スターリングエンジンビジネスモデル開発とビジネス推進支援
スターリングエンジン利用技術開発支援事業
新エネルギー利用技術の開発支援事業
ビジネス環境整備のための関係法規の整備促進や普及のための政策提言
普及・啓蒙活動
スターリングエンジンに関するナショナルセンターの構築等
・設立 2006年10月
・理事長 鶴野省三(防衛大学校名誉教授)
・HP http://www.eco-stirling.com/
■内容、取材に関するお問い合わせは下記までお願いします。
横浜製機株式会社総務部 部長 古川史朗
e-mail:
TEL: (代表)/FAX:
固形バイオマスの直接燃焼発電を可能とするKAIHOエンジンの開発
1.バイオマス資源とバイオマスの壁
バイオマスは光合成で生成される生体を量で示したものと定義され、その賦存量は世界の年間消費量を1とするとバイオマスは100、化石燃料の確認埋蔵量も100、また光合成で生成されるバイオマスの年間生成量は10と資源的ポテンシャルは極めて高い(*1)。しかしながらバイオマスは地球全体に薄く広く分布するため、化石燃料に比べ、収集運搬に手間と時間がかかり大量・集中活用に適さない。さらに問題なのは、バイオマスは燃料として比較的高い発熱量(3200~4000kcal/kg)を有しながら、未だその利用技術がなく、世界中で今なおなすすべもなく廃棄されている。
バイオマスによる燃焼発電を阻む最大の要因は燃焼である。バイオマスはその成分が種類により異なり、燃焼ガスにエンジン作動を阻害する物質が含まれる。そのために、主として石油燃料を利用して発達してきた内燃機関はバイオマスに適合できず頓挫している。
外燃機関であるスターリングエンジンもまたバイオマス燃料の利用に苦しんでおり、未だにバイオマス専焼スターリングエンジンの実現に至っていない。まさにバイオマスはエンジンにとって厚い壁となっている。
(*1):前川孝昭、“バイオマスとスターリングエンジン”、OHM(オーム社)2012年3月 号、(Vol.99 No.3)、pp.28-32.
2.KAIHOエンジンの概要
KAIHOエンジンは、このようなバイオマスの壁の突破を目指している。そのコアとなる技術は図1に示すようにエンジン要素は配管で連結し、圧力発生部・パワーピストンの吸気と排気口に内燃機関と同様の弁を置いて加熱器・冷却器の間を区切るところにある(特許取得。図1では弁は省略)。一方従来のスターリングエンジン(図2)はすべての要素が一つの筐体に納められ、弁で仕切る構造はない。この構造的相違がエンジン性能と特性に大きな相違をもたらす。
すなわち、KAIHOエンジンは圧力発生部とパワーピストンに吸・排気弁を付けたことにより、加熱器・冷却器の容積を大きくして大出力エンジンを可能とするが、スターリングエンジンは加熱器等を大きくすると死容積(エンジン性能を低下させる無駄な容積)が増加し、性能が著しく低下する。
またKAIHOエンジンは作動温度を300℃程度の低温でも十分実用エンジンとしての出力を出すことができるが、スターリングエンジンは300℃で大出力商用エンジン(10kW以上)を作ることは困難である。
加えて、バイオマス燃焼に対する適用性は圧倒的にKAIHOエンジンが有利である。KAIHOエンジンは燃焼器と加熱器の間に燃焼ガス中の粉体等を除去するフィルターを設置できるので、相当ダーテイーな燃焼ガスでも加熱源として活用できる。したがって、KAIHOエンジンはこれまで未解決であったバイオマスの利活用技術に新たな方向性を与えるものではないかと自負している。
図1 KAIHOエンジン
(a)エンジンの構成
(b)KAIHOエンジン写真
図2 スターリングエンジン模式図例
(a)左図はベータ型エンジン
(b)右図はアルファ―型エンジン
(出典:鶴野省三、“実用スターリングエンジンの幕開けに当たり”、OHM 2012年3月 号(Vol.99,No.3),pp.17-22)
3. KAIHOエンジンの開発目標
3.1開発目標
本開発の目標は固形バイオマスを直接燃焼し発電するシステムを構築することにある。
KAIHOエンジンはこのシステムの中心を担うもので、固形バイオマスの燃焼ガスを熱源とするエンジンである。出力は当面の目標が20kWである。
具体的な商用モデルは図3に示す養鶏場の鶏糞燃焼炉と組み合わせ、発電+温水を発生させるものである。例えば採卵鶏鶏舎(10万羽飼育)の場合、1日鶏糞は10トン排出される。これを含水率30%まで落として燃焼する。現在はこの鶏糞燃焼熱の一部で温水を発生させているだけであり、熱利用はされていないに等しい。この無駄に捨てている熱を発電して有効活用したいというのが本開発の目的である。我が国では10万羽飼育の鶏舎は約4000、5万羽は3000ある。現在はこれらの鶏舎から出る鶏糞の処理は経営上大きな負担となっている。本システムが完成すれば、この経営負担を大きく改善できる。(投資回収期間は約5年。補助金&FIT等を活用すればさらに短縮される。)
3.2試験の状況
KAIHOエンジンは従来のスターリングエンジンとは全く異なる構造と作動方式を有するエンジンであるため、開発には未知の問題が多く、その解決・対応に苦労を続けてきたが、ようやくエンジン試験が軌道に乗り、順調に試験を進めているところである。
図4は試験結果の一部である。現在のところ、実験室の環境制約を受け、圧力を十分高く上げられないが、加熱器と冷却器の圧力差が、約4気圧、回転数が毎分120回転で1kW程度(図4)の出力が出ている。これは今後圧力差を10気圧、回転数を600回転(毎分)まで上げることができれば約15kWの出力が見込めるとの結果である。
図3 養鶏場に設置する鶏糞燃焼発電・温水発生(コージェネ)システム
図4 試験結果の例
横浜製機株式会社
NPO日本スターリングエンジン普及協会
2013年7月28日
報道機関各位
横浜製機株式会社、NPO日本スターリングエンジン普及協会 「(通称)KAIHOエンジン」マスコミ向け公開 8月5日(月) 13:30~、横須賀市内川の横浜製機にて
「NEDO新エネルギーベンチャー技術革新事業フェーズC事業」として開発中
■“間伐材、畜糞など固形バイオマス”を直接燃焼して電力に変換■
かねてNEDO新エネルギーベンチャー技術革新事業フェーズC事業として開発中の「(通称)KAIHOエンジン」を公開する運びとなりましたので、ここにご案内を申し上げます。輸送用機械器具製造の横浜製機株式会社(関根宗平社長)、NPO日本スターリングエンジン普及協会(理事長:鶴野省三防衛大学校名誉教授、本部:東京都千代田区)が実施します。
KAIHOエンジン(*注)は“間伐材、畜糞など固形バイオマス”を直接燃焼して電力に変換する技術です。固形バイオマスは間伐材、畜糞はじめ汚泥の乾燥ペレット、製材廃材、建築廃材、バガスやヤシ油などの搾りかす、もみ殻、ナッツ類の殻、また産廃やごみ処理排熱など地球規模でみれば実に多種多様かつ大量に存在する未利用バイオマス資源で、今現在はその大部分が焼却処分されています。
(*注)KAIHOエンジンは発明者:NPO日本スターリングエンジン普及協会理事「海法俊光氏」の名前をとっている。
■横須賀・神奈川から我が国のみならず世界へ広げる■
その理由は、このバイオマス資源を中小規模で発電(10~50kW)する技術が世界にいまだ存在しないからなのです。
KAIHOエンジンは、この未解決技術に挑戦するもので、ようやく解決の道筋をとらえるに至りました。現状はまさに卵が孵化した直後ですが、予期以上の試験結果が得られつつあり、開発・生産体制を整備して商品化に向けた努力を加速する所存です。KAIHOエンジン技術を完成すれば、再生可能エネルギー利活用に大きな道を開くことができます。町おこし、地域おこし、モノづくりなど我が国経済再生に寄与できると考えています。
私共はKAIHOエンジンを横須賀・神奈川から我が国のみならず世界へ広げていきたいと考えています。このような思いを込めてプレスの方々に見て頂きたいとご案内申し上げる次第です。
なお、本エンジン公開にご参加頂ける方は誠に恐縮ですが、事前に下記問い合わせ先に参加する旨のご連絡(電子メール、FAX、電話にて)頂ければ幸甚でございます。
記
1. 日時:平成25年8月5日(月) 13:30 ~
2. 場所:横浜製機株式会社 〒239- 0836 神奈川県横須賀市内川1-8-31
3. 問い合わせ先:横浜製機株式会社総務部 部長 古川史朗
e-mail:
TEL: (代表)/ FAX:
4. アクセス:京浜急行「北久里浜駅」下車。バスかタクシーをご利用ください。
(ア) タクシーをご利用の方は、行先:「内川の工業団地の横浜製機」で分かると思います。
(イ)バスご利用の場合:バス乗り場とバス発車時刻は下記の通りです。
① バス発車時刻
12時 07、52
13時 38
14時 19, 39
② バスストップ(乗車)(工業団地経由久里浜駅行き)
北久里浜駅の改札口を出て左方向。モスバーガーの前を通過。歩道橋下。
③ 下車バス停車場・・・・久里浜工業団地(乗車時間約10分)
下車してバス進行方向に30mのところに、横浜製機株式会社があります。
2階会議室までお出でください。
■横浜製機株式会社のプロフィール
・所在地 〒239-0836 神奈川県横須賀市内川1-8-31
TEL: (代表)/ FAX:
・HP http://www.yokosei.co.jp
・設立 昭和32年10月29日
・代表者 代表取締役社長 関根宗平
・従業員数 117名
・事業内容 輸送用機械器具製造業 (主として鉄道車両)
■NPO 日本スターリングエンジン普及協会
・本部事務所 〒101-0047 東京都千代田区内神田1丁目12番12号
Tel. FAX:
・目的 スターリングエンジンの早期実用化・普及に努め、新たな産業を創生し、環境
に優しいスターリングエンジンの特徴によって“バイオマス・ニッポン総合戦
略”が目指す循環型社会の構築に貢献します。
・活動内容 スターリングエンジンビジネスモデル開発とビジネス推進支援
スターリングエンジン利用技術開発支援事業
新エネルギー利用技術の開発支援事業
ビジネス環境整備のための関係法規の整備促進や普及のための政策提言
普及・啓蒙活動
スターリングエンジンに関するナショナルセンターの構築等
・設立 2006年10月
・理事長 鶴野省三(防衛大学校名誉教授)
・HP http://www.eco-stirling.com/
■内容、取材に関するお問い合わせは下記までお願いします。
横浜製機株式会社総務部 部長 古川史朗
e-mail:
TEL: (代表)/FAX:
固形バイオマスの直接燃焼発電を可能とするKAIHOエンジンの開発
1.バイオマス資源とバイオマスの壁
バイオマスは光合成で生成される生体を量で示したものと定義され、その賦存量は世界の年間消費量を1とするとバイオマスは100、化石燃料の確認埋蔵量も100、また光合成で生成されるバイオマスの年間生成量は10と資源的ポテンシャルは極めて高い(*1)。しかしながらバイオマスは地球全体に薄く広く分布するため、化石燃料に比べ、収集運搬に手間と時間がかかり大量・集中活用に適さない。さらに問題なのは、バイオマスは燃料として比較的高い発熱量(3200~4000kcal/kg)を有しながら、未だその利用技術がなく、世界中で今なおなすすべもなく廃棄されている。
バイオマスによる燃焼発電を阻む最大の要因は燃焼である。バイオマスはその成分が種類により異なり、燃焼ガスにエンジン作動を阻害する物質が含まれる。そのために、主として石油燃料を利用して発達してきた内燃機関はバイオマスに適合できず頓挫している。
外燃機関であるスターリングエンジンもまたバイオマス燃料の利用に苦しんでおり、未だにバイオマス専焼スターリングエンジンの実現に至っていない。まさにバイオマスはエンジンにとって厚い壁となっている。
(*1):前川孝昭、“バイオマスとスターリングエンジン”、OHM(オーム社)2012年3月 号、(Vol.99 No.3)、pp.28-32.
2.KAIHOエンジンの概要
KAIHOエンジンは、このようなバイオマスの壁の突破を目指している。そのコアとなる技術は図1に示すようにエンジン要素は配管で連結し、圧力発生部・パワーピストンの吸気と排気口に内燃機関と同様の弁を置いて加熱器・冷却器の間を区切るところにある(特許取得。図1では弁は省略)。一方従来のスターリングエンジン(図2)はすべての要素が一つの筐体に納められ、弁で仕切る構造はない。この構造的相違がエンジン性能と特性に大きな相違をもたらす。
すなわち、KAIHOエンジンは圧力発生部とパワーピストンに吸・排気弁を付けたことにより、加熱器・冷却器の容積を大きくして大出力エンジンを可能とするが、スターリングエンジンは加熱器等を大きくすると死容積(エンジン性能を低下させる無駄な容積)が増加し、性能が著しく低下する。
またKAIHOエンジンは作動温度を300℃程度の低温でも十分実用エンジンとしての出力を出すことができるが、スターリングエンジンは300℃で大出力商用エンジン(10kW以上)を作ることは困難である。
加えて、バイオマス燃焼に対する適用性は圧倒的にKAIHOエンジンが有利である。KAIHOエンジンは燃焼器と加熱器の間に燃焼ガス中の粉体等を除去するフィルターを設置できるので、相当ダーテイーな燃焼ガスでも加熱源として活用できる。したがって、KAIHOエンジンはこれまで未解決であったバイオマスの利活用技術に新たな方向性を与えるものではないかと自負している。
図1 KAIHOエンジン
(a)エンジンの構成
(b)KAIHOエンジン写真
図2 スターリングエンジン模式図例
(a)左図はベータ型エンジン
(b)右図はアルファ―型エンジン
(出典:鶴野省三、“実用スターリングエンジンの幕開けに当たり”、OHM 2012年3月 号(Vol.99,No.3),pp.17-22)
3. KAIHOエンジンの開発目標
3.1開発目標
本開発の目標は固形バイオマスを直接燃焼し発電するシステムを構築することにある。
KAIHOエンジンはこのシステムの中心を担うもので、固形バイオマスの燃焼ガスを熱源とするエンジンである。出力は当面の目標が20kWである。
具体的な商用モデルは図3に示す養鶏場の鶏糞燃焼炉と組み合わせ、発電+温水を発生させるものである。例えば採卵鶏鶏舎(10万羽飼育)の場合、1日鶏糞は10トン排出される。これを含水率30%まで落として燃焼する。現在はこの鶏糞燃焼熱の一部で温水を発生させているだけであり、熱利用はされていないに等しい。この無駄に捨てている熱を発電して有効活用したいというのが本開発の目的である。我が国では10万羽飼育の鶏舎は約4000、5万羽は3000ある。現在はこれらの鶏舎から出る鶏糞の処理は経営上大きな負担となっている。本システムが完成すれば、この経営負担を大きく改善できる。(投資回収期間は約5年。補助金&FIT等を活用すればさらに短縮される。)
3.2試験の状況
KAIHOエンジンは従来のスターリングエンジンとは全く異なる構造と作動方式を有するエンジンであるため、開発には未知の問題が多く、その解決・対応に苦労を続けてきたが、ようやくエンジン試験が軌道に乗り、順調に試験を進めているところである。
図4は試験結果の一部である。現在のところ、実験室の環境制約を受け、圧力を十分高く上げられないが、加熱器と冷却器の圧力差が、約4気圧、回転数が毎分120回転で1kW程度(図4)の出力が出ている。これは今後圧力差を10気圧、回転数を600回転(毎分)まで上げることができれば約15kWの出力が見込めるとの結果である。
図3 養鶏場に設置する鶏糞燃焼発電・温水発生(コージェネ)システム
図4 試験結果の例
横浜製機株式会社
NPO日本スターリングエンジン普及協会